グルコサミンが大腸がんのリスクを低下する可能性がある

疫学的にはグルコサミンの摂取は大腸がんのリスクを減らしている可能性があると報告されている。メカニズムは炎症の抑制である。がんと炎症には関連があるだけに、グルコサミンには期待がかかっているだろう。 グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す******************http://www.dhcblog.com/kamohara/category_12/今月の消化器病学の専門ジャーナル(電子版)に、グルコサミンによるNF-κB抑制を介した抗炎症作用が報告されていました。(J Gastroenterol Hepatol. 2013 Dec 10)疫学研究では、グルコサミンサプリメントの利用と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの間に負の相関が見出されています。がんの病態には、慢性炎症の関与が知られています。そして、グルコサミンに関する基礎研究では、抗炎症作用が示されています。(例えば、グルコサミン由来成分の抗炎症作用)そこで、今回の研究では、大腸がんの前段階とされる大腸炎に対するグルコサミンの作用が検証されました。具体的には、デキストラン硫酸(DSS)誘発大腸炎... 詳細を見る

ビタミンD3サプリメントの骨格筋への作用

ビタミンD3はサプリメントの中でもビタミンCについでマルチな力を発揮するビタミンである。高齢者の筋断面積の増加が見られるのだから相当の効果だと思われる。 **********************http://www.dhcblog.com/kamohara/今月の臨床内分泌代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンD3サプリメントによる筋肉組織への影響を調べた臨床研究が、米国のグループ(Tufts Medical Center)から報告されていました。(J Clin Endocrinol Metab. 2013 Oct 9.)ビタミンDは、骨の健康維持に関係する脂溶性ビタミンとして広く知られています。近年の研究では、免疫調節作用や抗がん作用も見出されており、アンチエイジング分野ではベーシックサプリメントとして摂取が推奨されるようになりました。また、ビタミンDは、骨の健康維持に加えて、筋肉組織への作用も示唆されており、転倒予防、骨折予防の点から、ロコモティブ症候群対策のサプリメントでもあります。ただし、現時点では、ビタミンDサプリメント投与による筋肉量の増加や筋特異的なビ... 詳細を見る

マルチビタミンミネラル利用者では浸潤性乳がんの死亡率が低い

 マルチビタミンミネラルはもっとも知れ渡っており多くの人にもなじみが深いサプリメントではないだろうか。 ******************************http://www.dhcblog.com/kamohara/今月の乳がん研究の専門ジャーナル(電子版)は、マルチビタミン・ミネラルサプリメントの利用と、乳がんによる死亡率との関連を調べた研究が、米国のグループ(Albert Einstein College of Medicine)から報告されていました。(Breast Cancer Res Treat. 2013 Oct 9.)マルチビタミンサプリメントは、米国では広く利用されています。例えば、米国の男性医師を対象にした研究では、マルチビタミンサプリメントの利用と、全がんリスク低下との関連が見出されました。(2012年、JAMA)さて、今回の研究では、浸潤性乳がんと診断された女性において、マルチビタミンとマルチミネラルサプリメントの利用と、乳がんによる死亡率との関連が調べられました。具体的には、米国の40カ所の医療機関において乳がんと診断された50歳から79歳の女性7,... 詳細を見る

セントジョーンズワートとドセタキセル(抗がん剤)との相互作用

抗がん剤との併用が問題となるサプリメントはいくつかある。このセントジョーンズワートもその一つだが、ビタミンCもメソトレキセートとの併用は禁忌といえる。サプリメントが」無害というわけではなく、何かしら体に影響する薬剤もサプリメントもそれぞれ作用機序があり、その作用が拮抗する場合には併用しないことだ。*******************************http://www.dhcblog.com/kamohara/臨床薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、セントジョーンズワートとドセタキセル(抗がん剤)との相互作用を示した臨床研究が、オランダのグループ(Utrecht University)から報告されていました。(Clin Pharmacokinet. 2013 Sep 26)セントジョーンズワート(和名セイヨウオトギリソウ)は、軽症から中等度のうつ病に対して有効なハーブです。SSRIなどの医薬品と同等の効果を有し、かつ、副作用は医薬品よりも少ないことが知られています。セントジョーンズワートは、単独の投与では、安全性と有効性の確立されたハーブです。一方、医薬品との相互作用がありま... 詳細を見る

乳がんサバイバーと大豆食品の摂取 

乳がんサバイバーと大豆食品の摂取 大豆には女性ホルモン様の作用があることが分かっている。にもかかわらず、タモキシフェンのような女性ホルモン拮抗作用のある抗がん剤と同様に乳がんに対する抑制効果がある。 実に不思議な食品である。おそらくは女性ホルモンの調整作用があり、がん患者さんの免疫が正常化するように女性ホルモンの調整をする働きがあるのだろうと考えられる。当院でも大腸がん、乳がん、前立腺がんの患者さんには絶対的に勧めているサプリメントの一つである。*******************************http://www.dhcblog.com/kamohara/アメリカ医師会ジャーナルに,乳がんサバイバー(生存者)の予後(死亡率・再発)と,大豆食品の摂取との関連を調べた研究が,米国のグループ(Vanderbilt Epidemiology Center)から報告されていました。(JAMA. 2009 Dec 9;302(22):2437-43.)大豆には,女性ホルモン様作用を有する植物エストロゲン・大豆イソフラボン類が存在し,乳がんの予防やリスク低減における臨床的意義が注目され... 詳細を見る