誰しも老化する自分の顔が嫌でしわを取りたいとかシミを取りたいと願うものだ。若返りは人類の希望でもある。もし今60歳の自分の肉体が30年若返るのならどうなるだろうか?もう一度人生をやり直せるならどうするか?などと妄想は尽きない。その中でも顔のしわ取りで人気なのがボトックス注射である。副作用もあり仮面のような顔になった芸能人の写真を多くの人が見ているのではないだろうか?

そういう人に忠告するのはこの記事にあるような障害が起きる点である。ゆっくり考えてほしい。ミラーニューロンが働かなくなるのだ。その先に考えられるのは他人と共感する脳細胞が減る事ではないだろうか?
他人との共感がなくなるのは認知症の症状でもあるが、頑固な老人の特徴でもある。その場合顔だけは若いがものすごい頑固な人になると言う事だろう。
***********************

顔にボトックス注射を打つと脳が混乱? 他人の表情を読み取りづらくなる 米国チームが発表

***********************************

米University of California Irvine(UCI)に所属する研究者らが発表した論文「Modulation of amygdala activity for emotional faces due to botulinum toxin type A injections that prevent frowning」は、ボトックス注射を顔に投与することで、感情に関わる脳活動が変化することを実証した研究報告である。

感情的な顔の処理に関与する神経解剖学的回路

神経に作用し筋肉の動きを止めるボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射を顔に投与すると、シワが滑らかになり目立ちにくくなるため、アンチエイジングの分野で普及している。ボトックスは筋肉をまひさせるため、副作用として顔全体で顔をしかめたり笑ったりすることがしにくくなる。

他方で、人は無意識のうちに怒りや喜びの表情を見たとき、関連する筋肉を収縮または屈曲させて表情をまねし、相手の感情を識別することを支援している。ボトックス注射を投与すると顔の筋肉が弛緩するため、このまねができず感情識別に影響があるのではと研究チームは考えた。

「ものづくり日本」復活へ 日本HPが東京生産にこだわる理由

実験では、33歳から40歳の女性10人にボトックスを額に注射し、投与する前と後(注射後2~3週間後)の2回に分けて磁気共鳴機能画像法(fMRI)で脳をスキャンした。その際、参加者には怒った顔や楽しい顔の写真を見てもらった。

結果、脳を分析すると、投与前と投与後では怒った顔と楽しい顔を見たときの扁桃体という脳領域の活動が変化し、楽しい顔を見たときには「楔状回」(けつじょうかい)という脳領域の活動が変化したことが確認された。

顔の筋肉が相手のしかめっ面や笑顔をまねることで、扁桃体や楔状回といった感情を解釈する脳部位に信号が送られることから、投与前後で扁桃体や楔状回が変化したということは脳でなんらかの事象が起きたといえる。この結果により、顔と扁桃体や楔状回との間のコミュニケーションがボトックスによって阻害される可能性を示唆した。

Source and Image Credits: Stark, S., Stark, C., Wong, B. et al. Modulation of amygdala activity for emotional faces due to botulinum toxin type A injections that prevent frowning. Sci Rep 13, 3333(2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-29280-x