疫学的にはグルコサミンの摂取は大腸がんのリスクを減らしている可能性があると報告されている。メカニズムは炎症の抑制である。がんと炎症には関連があるだけに、グルコサミンには期待がかかっているだろう。

 

グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す

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今月の消化器病学の専門ジャーナル(電子版)に、グルコサミンによるNF-κB抑制を介した抗炎症作用が報告されていました。(J Gastroenterol Hepatol. 2013 Dec 10)

疫学研究では、グルコサミンサプリメントの利用と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの間に負の相関が見出されています。
がんの病態には、慢性炎症の関与が知られています。

そして、グルコサミンに関する基礎研究では、抗炎症作用が示されています。
(例えば、グルコサミン由来成分の抗炎症作用)
そこで、今回の研究では、大腸がんの前段階とされる大腸炎に対するグルコサミンの作用が検証されました。

具体的には、デキストラン硫酸(DSS)誘発大腸炎モデルマウスを用いて、グルコサミン硫酸塩が、0, 0.05, 0.10% (w/w)の用量で標準餌と一緒に4週間投与されました。

また、DDSの投与(5日間×2回)にて大腸炎が誘導されました。(3群間の比較)
解析の結果、0.10%のグルコサミン硫酸塩投与群では、大腸炎関連症状が有意に抑制されたということです。

また、0.10%のグルコサミン投与群では、対照群に比べて、大腸粘膜におけるTNF-α, IL-1β, NF-κBの遺伝子発現が有意に抑制されました。
さらに、細胞間接着に関与する膜タンパク質のZO-1 やoccludinの発現は、対照群に比べてグルコサミン群で有意に増加していました。

その他、血中IL-8値やアミロイドP成分は、対照群に比べてグルコサミン群にて有意に抑制されていました。以上のデータから、グルコサミンによるNF-κB抑制などによる抗炎症作用を介した大腸炎リスク低下作用が示唆されます。

今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。

らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)

グルコサミン
コンドロイチン
グルコサミン&コンドロイチン
II型コラーゲン+プロテオグリカン
グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。

作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。

一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。

膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)