低炭水化物食による減量と脂質代謝改善効果 

ダイエットの方法もこのような低炭水化物食を中心に組み立てた、適度な植物性タンパク質とオメガ3油を使った、野菜中心の食事が良いと思われる。

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栄養学の専門ジャーナルに、低炭水化物ダイエットによる減量と脂質代謝改善効果を示した臨床研究が、中国のグループから報告されていました。(Br J Nutr. 2013 Mar 25:1-10)

近年、糖質制限食/低炭水化物食/ローカーボ食による肥満改善効果や糖尿病での血糖コントロール改善効果が注目されており、多くの臨床研究によるエビデンスの構築が行われています。
一方、日本の「食事バランスガイド」では、ごはん・お米の主食が一番大きなポーションを占めています。

これは、農林水産省が作成した食事ガイドラインなので、ごはん・お米を推奨してしまうのは、利害関係上、やむを得ないのでしょう。
アンチエイジング医学や最新の内分泌代謝病学の研究では、適切な糖質制限食による医学的効果のエビデンスはすでに構築されています。

(なお、糖質制限反対派の人たちは、栄養学的に明らかに不適切な糖質制限食、例えば、ステーキ・焼き肉食べ放題は長期的によくない、動物性脂質の摂りすぎは動脈硬化をもたらすなど、極端に間違った例を挙げて、糖質制限食すべてが間違っているかのような意見を述べています。)

さて、今回の研究では
習慣的に炭水化物の摂取が多い(高炭水化物食を摂取している)中国人成人における低炭水化物食による体重と心血管リスクへの影響が調べられました。

具体的には、肥満あるいは過体重の女性(平均年齢47.9歳、BMI 26.7)50名を対象に、・低炭水化物食摂取群:摂取エネルギー制限なし。1日あたり20グラムの炭水化物制限から開始し、1週間ごとに10
グラムずつ漸増する

・低エネルギー食
 35%のエネルギー制限食。炭水化物の摂取量は1日あたり156-205グラム、エネルギー量は1日あたり5021 or 6276 kJの2群に分けて、12週間の試験食投与が行われています。

介入期間中のコンプライアンスは両群とも96%であり、同程度の摂食遵守率を示しています。
12週間の試験終了時では、総エネルギーに占める炭水化物エネルギー比は、低炭水化物食群(LC)では36.1%、低エネルギー食(ER)では51.1%でした。(P< 0&#8226;001)

平均体重減少幅は、両群とも同程度の減量を示しています。
(LC - 5.27 (95 % CI - 6.08, - 4.46) kg; ER - 5.09 (95 % CI - 5.50, - 4.67) kg, P= 0.67)

また、体脂肪率も同程度の変化となっています。

(LC - 1.19 (95 % CI - 1.88, - 0.50) %; ER - 1.56 (95 % CI - 2.20, - 0.92) %, P= 0.42)

一方、脂質代謝に対する効果では、低エネルギー食群に比べて、低炭水化物食群のほうが、
総コレステロール/HDL比の有意な低下(改善) (P= 0.03)、

中性脂肪/HDL比の有意な低下(改善) (P= 0.01)
を示しました。

以上のデータから、
高炭水化物食の摂取習慣を有する肥満あるいは過体重の女性において、低炭水化物食は、低エネルギー食と同等の遵守率を示し、体重減少効果/体脂肪減少効果は同程度であり、脂質代謝についてはより好影響を示す、と考えられます。

肥満など生活習慣病の予防と改善、抗加齢・ヘルシーエイジングには、地中海食を基本とした緩やかな糖質制限が有用です。

炭水化物制限食は、結果的に高タンパク食で高脂肪食になるため、長期的な影響が明確でないとして、日本糖尿病学会から批判されています。
しかし、緩やかな炭水化物制限食をベースとして、植物性タンパク質やエクストラバージンオリーブオイルを多用する食生活であれば、長期的にも健康にいい影響が期待できます。
(タンパク質は魚類や大豆を中心にし、獣肉類の摂取は避けましょう。

また、オメガ6系の脂質も推奨できません。
欧米の臨床試験では、好ましくない種類のたんぱく質や脂質を過剰に摂取したことによるネガティブな影響を示したものがあります。

したがって、それらを偏重して取り上げて、炭水化物制限食がすべて間違っているかのような説明は適切ではありません。)
結局のところ、唯一無二の正しい食事療法があるわけではなく、個人の体質やライフスタイル、嗜好に合わせて、かつ、適宜組み合わせて、適切な食事療法を継続することが大切です。

今回の研究からも明らかですが、緩やかな糖質制限食をベースにした地中海食は、一番エビデンスがあると思います。
DHC赤沢温泉郷では、和食ベースの糖質制限食を提供しています。
(例えば、赤沢日帰り温泉では「糖質制限定食 5種」などがあります。)

また、DHCでは、ポリフェノールが豊富で機能性が示されているエクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。