パーキンソン病の症状とビタミンD値との関係 

パーキンソン病は脳神経疾患で、筋肉の緊張が高まりうまく歩けない、関節がスムースに動かない。仮面用の顔貌になるなどの症状があります。

 脳内のドパミンというホルモンが減少するために起きており、ドパミンを補給する薬の治療が行われています。

 なかなか根治しないため、グルタチオン点滴療法も有効な治療法として行われています。

統合医療的にはグルタチオン点滴療法とビタミンDの組み合わせ、また、LDN(低用量ナルトレキソン)との組み合わせなどが行われます。

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今月の神経病学の専門ジャーナル(電子版)に、血中ビタミンD値とパーキンソン病の重症度との関連を調べた研究が、米国のグループ(OHSU)から報告されていました。(Mov Disord. 2013 Apr 2.)

パーキンソン病は、神経変性疾患の一つです。
パーキンソン病患者では、転倒が予後に影響を与えます。
ビタミンDの投与は、高齢者における転倒リスクを予防すると考えられています。

そこで、今回の研究では、パーキンソン病におけるビタミンDの意義が調べられました。
具体的には、横断研究として、パーキンソン病患者の血中ビタミンD値が測定され、バランステストが実施されています。

解析の結果、ビタミンDの血中濃度と、パーキンソン病の重症度との間に、有意な負の相関が認められたということです。(パーキンソン病統一スケールUPDRS:Unified Parkinson's Disease Rating Scaleにて評価。)

また、平衡障害に関する指標でも、ビタミンDの血中濃度との関連が示されています。
以上のデータから、パーキンソン病の平衡障害の抑制や重症度の軽減において、ビタミンDの働きが示唆されます。
今後、ビタミンDサプリメント投与による臨床的意義の検証が期待される分野です。

ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000~2,000IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)

今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。

日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。