実際のところコロナウイルスに関してはまだまだ不明な点が多い。しかし、小さな統計があちこちで発表されており徐々に全貌に近づいているともいえる。このような時にあえて恐怖をあおり、人々を判断力がない状態にすることをショックドクトリンという政治的行動であることは以前もブログで述べた。

人々はパニックになると恐怖心と非科学的な感情に突き動かされる。私は科学者の端くれを自認しているから、なるだけ感情的にはならずに理論的にデータを見ていたいと思っている。

 

データで見れば今回のコロナ騒動は日本においては幸いなことに例年のインフルエンザの被害と比べてもごく小さなものである。

例年日本では約1000万人がインフルエンザに感染し、約1万人が死亡している。

5月8日現在、日本では感染者数が1万1434人、死亡者数が557人である。実にインフルエンザの約1000分の1の感染者数で、死亡者数も5%程度である。これを見てコロナウイルスが猛威を振るい日本人を多数死亡させたとは科学的には考えない。

 

例年自殺者数は3万人いる、肺炎で亡くなる人は10万人、ガンや心臓病などで亡くなる人を入れると年間130万人程度が亡くなっている。それと比べてみるとコロナの影響は557/13000000.043%である。これでもパニックになる数字だろうか?0.043%とは日本で死亡する人の1万人に4人がコロナだったということである。コロナが死亡原因のトップどころか下の方だ。

 

また、罹患することを恐れている人も多いが、人口比率でいえば1万人のうち1人程度が罹患する。外出するのが恐怖だろうか?

 

毎年交通事故で3000人ほどが亡くなっている。交通事故の数は年間47万件ほどである。コロナの47倍だ。だからといって外出したら交通事故にあうかもしれないと思うだろうか?また外出を自粛するだろうか?また交通事故を起こした人を探し出して、まるで犯罪者のようにマスコミが報道するだろうか?冷静に考えたらおかしいと科学者は考える。

 

非科学的な判断しかできないでパニックを起こした人々がいる。実際には毎日朝から晩までコロナが町中で流行しているかのように報道してマスコミがあおっているのである。それによって恐怖感が心におこりパニックにされているのである。

恐怖心を抱き、非科学的な行動に出ることが問題である。ここは冷静にパニックにならずに行動してほしい。

 

気の毒なのは罹患した患者さんである。患者さんには罪はない、落ち度もない。先日も山梨県に帰省していた女性が感染を広げたということでネット警察、自粛警察なる人たちに名前や住所など、職場での行動や個人的な情報をネット上にさらされていた。

これらは行き過ぎた行動であり、自分勝手な正義感に酔った非科学的な行動だ。被害者の女性に同情するし、加害者にはそれが人を傷つける犯罪であることを知ってほしい。

 

私は科学的に言って、日本人は世界でもうまくコロナを制圧しつつると思っている。世界の感染者数は395万人で、死亡者数は27万人である。

アメリカの感染者数は129万人で死亡者数は7.7万人である。

 

これだけ見ても日本はコロナ対策においては成功している方だ。人が一人でも死んだら失敗じゃないかという人もいるだろうが、科学的には完全はあり得ないし、一人も死なないことは望むべきではあるが、実際的ではない。

 

日本人は清潔であることが良かったかもしれない、BCGワクチンが良かったのかもしれない、医療が社会制度としてよかったのかもしれない。いずれにしても今のところは善戦している。

 

しかし、これから長い戦いが始まる。これはノーベル賞医学者の京都大学の山中教授も言っていた。ワクチン開発が非常に困難であることから、集団免疫ができるまでに相当の時間がかかると予想されるのだ。

つまりこれから自粛の要請と解除が繰り返し行われるだろう。

 

患者数が夏にかけて減るだろうが、また寒くなると増えてくるだろう。集団免疫は抗体を持つ人が60~80%にならないと感染が止まらないからだ。さらにコロナについてはわかってないことが多く、一度ついた免疫が変異したウイルスには効かないかもしれない。インフルエンザのように毎年違う種類のコロナウイルスが流行するかもしれないのだ。

 

結局はワクチンが一番の希望の星である。それまで、我われは感染するという、科学的事実に耐えなければならない。

 

ではどうしたら感染しないのだろうか?または感染しても軽症で済むのだろうか?一般的に言われているように免疫をあげることだ。それには規則正しい生活をし、健康的な毎日を送る必要がある。簡単に言えば、私が日ごろがん患者さんに話している免疫をあげる生活習慣を守ることだ。

  1. 必要十分な栄養を摂取すること
  2. 必要十分な睡眠をとること
  3. 感染は粘膜を介するので目と鼻と口にウイルスが入らないように防御すること
  4. 手から移ることが多いので流水で洗い流すこと
  5. ビタミンミネラルを摂取すること
  6. 特にビタミンCDを摂取すること
  7. 精神的にストレスをためないこと。怒らない、悲しまない、否定的な感情にとらわれないこと。
  8. 周囲の人を思いやり、感謝の気持ちを持つこと
  9. 科学的な判断をし、データを見ること。この項目の中で一番難しいのは科学的なデータを見ることのようだ。科学者でテレビにもよく出ている武田邦彦先生も、コロナはただの風邪であると言っている。ただの風邪というよりは新たな風邪の一種であり、インフルエンザと同等かそれ以上の重症化を起こす感染症だ。恐れることはない、しかし備えはしっかりせねばならない。恐怖心は免疫を下げ、判断を間違え、他人を攻撃するパニックになりやすい。それだけは防がねばならない。