ニンニクと健康効果

先日、オリーブオイルとアーモンドで遺伝子が変わる話を書きました。NHKの特集だったのですが、今までも地中海料理は長寿の食事として注目されていましたが、科学的に遺伝子が変化することが分かったのでした。通常、食事が健康に与える影響は、統計データで説明されます。この食品を食べている人と食べていない人では10年後に疾患の発生率がこれだけ違っているとかです。

しかし、今回の遺伝子の研究は違っていました。ある食品を食べる前と半年間食べた後ではどのくらい遺伝子に変化があったのかが調べられたのです。

結果は素晴らしいものでした。食事の摂取によって遺伝子に変化が認められたのです。

今回のニンニクも同様に近い将来、遺伝子の変化がある事が判明するでしょう。ニンニクに限らず、いろんな食品が人間の遺伝子を変えてゆきます。

それは食品だけではありません、心のもちようや瞑想修行などの宗教的哲学的な思考の変容、呼吸法によっても遺伝子は変化するのです。これをエピジェネテイックスと言います。

ニンニクが良いとわかっていても毎日食事でとれない人はサプリメントを考えてみてもいいと思います。

 

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食物栄養学の専門ジャーナルに、ネギ属の摂取による健康増進・疾病予防効果を検証したメタ解析が報告されていました。 (Food Sci Nutr. 2019 Jul 10;7(8):2451-2470.

 

 

ネギ属の野菜には、特有のファイトケミカルが含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した健康増進・疾病予防対策が知られています。

特に、ニンニクは、動脈硬化抑制作用や抗がん作用、免疫調節作用など多彩な働きを有しており、生活習慣病の予防や改善のためのサプリメント成分としても広く利用されています。

 

例えば、下記のような研究が知られています。

ニンニクの高血圧改善と脂質代謝改善作用:メタ解析

さて、今回のメタ解析では、ネギ属の野菜の摂取による健康増進・疾病予防効果が検証されました。 具体的には、アンブレラレビューとして、16報のメタ解析、50の独立したアウトカムが対象となりました。

 

アンブレラレビュー/メタ解析の結果、ネギ属の野菜と疾病予防でも最も顕著であったのは、

胃がんの22%リスク低減効果でした。(RR 0.78; 95% CI 0.67-0.91)

また ニンニクの8週間の摂取により、 血中の総コレステロール値の有意な減少作用も見出されました。(WMD -17.20 mg/dl; 95% CI -23.10 to -11.30)

 

特に、 脂質異常症の患者群では、ニンニクの摂取により、一般人口よりも、改善作用が得られやすいことも見出されました。

次に、 糖尿病患者では、 健常者群に比べて、より長期間のニンニクの摂取により、

空腹時血糖値、HbA1cといった糖代謝指標について、 好影響が見出されました。

 

さらに、ニンニクの摂取により、 正常血圧の被験者に比べて、 高血圧の患者での降圧作用が認められました。ニンニクの摂取による有害事象としては、ニンニク臭や胃消化管の不快感などが報告されています。

以上、今回のメタ解析データから、ネギ属の野菜の摂取による胃がんリス低減作用、

ニンニクの摂取による生活習慣病(脂質異常症、高血圧、糖尿病)のリスク低減作用が示唆されます。

 

ニンニクの高血圧改善と脂質代謝改善作用:メタ解析

日本では、にんにくが強壮作用をもつ、スタミナ食品として認識されているように思います。 例えば、伝統食品の成分では、ニンニク卵黄や熟成黒ニンニク

などがサプリメントにも使われています。

 

 

にんにくに含まれるファイトケミカルには、抗凝固作用や抗酸化作用、抗炎症作用があるため、各種の生活習慣病予防にも有用です。

一方、欧米のサプリメント市場では、ガーリック(にんにく)由来のサプリメントは、高血圧や脂質異常症を改善し、心臓病(心血管疾患)リスクを抑えるために用いられています。