野菜を取れば血圧のリスクが低い

 

野菜でもとくにカロチノイドを摂取すれば高血圧になるリスクが低いことがわかっています。前立腺がんのリスクも低いし、すい臓がんリスクも低いことがわかっています。また、心血管リスクも低く、肺がんリスクも低い、そして骨折が少ないことも分かっています。

一番いいのは食事で野菜から直接摂取することですが、それが難しい場合にはカロチノイドの入ったサプリメントを摂取するようにしましょう。

 

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カロテノイド類の摂取が多いと高血圧リスクが低い:米国全国調査NHNES2007-2014 [20190807()]

 

高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、米国において、カロテノイド類の摂取と、高血圧リスクとの関連を調べた疫学研究が報告されていました。

J Hypertens. 2019 Jul 26.

 

http://www.dhcblog.com/kamohara/

野菜などに含まれるカロテノイド類には、抗酸化作用や抗炎症作用があり、生活習慣病の予防効果が示されています。

 

例えば、ルテインでは、ブルーライトからの網膜の保護、加齢性黄斑変性症予防、

リコピンでは、肺がんや前立腺がん、乳がんリスク低下などの作用も知られています。

 

 

さて、

今回の研究では、

 

米国全国栄養調査のデータから、

 

カロテノイド類の摂取と、高血圧のリスクとの関連が検証されました。

 

具体的には、

 

米国の全国健康栄養調査(NHANES) 2007-2014のデータから、

 

20歳以上の17,398名が対象となり、

 

食事あるいはサプリメントからのカロテノイド類(αカロテン、βカロテン、ベータクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン/ゼアキサンチン、総カロテノイド類)の摂取と、

 

高血圧(収縮期が130mmHg以上、拡張期が80mmHg以上)のリスクとの関連が調べられました。

 

 

 

解析の結果、

 

まず、

βカロテン、リコピン、ルテイン/ゼアキサンチン、総カロテノイドの摂取が多いほど、

 

高血圧のリスクが低いという相関が見出されました。

 

次に、

 

多変量解析の結果、

 

4分位で最高群は、

 

最低群に比べて、

 

高血圧のリスクが、

 

ベータクリプトキサンチンでは21%低下、

0.79 (0.67-0.93),

 

リコピンでは15%の低下

0.85 (0.73-0.98),

 

ルテイン/ゼアキサンチンでは31%の低下

0.69 (0.58-0.83),

 

総カロテノイドの摂取では27%のリスク低下

0.73 (0.62-0.86)

 

という相関が見出されました。

 

 

総カロテノイドの摂取と、

 

高血圧のリスク低減との間には用量依存的な相関が認められました。

100 μg/kg per day

 

以上のデータから、

 

米国の成人において、

 

食事あるいはサプリメントからの、

αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン/ゼアキサンチン、総カロテノイドの摂取が、高血圧を予防する、と考えられます。