こんなニュースが入ってきた。すい臓がんの患者さんには朗報です。今まですい臓がんは見つかりにくい、治療効果が薄いガンとして有名でした。いまだに有効な薬が開発されておらず、また臨床でも行こうな方法は少ないとされています。
当院でもビタミンC点滴や免疫療法で余命宣告を大きく超えて日常生活を送ることができている患者さんも多いですが、明らかにエビデンスをもって効く薬が開発されたのはうれしいことです。
問題点は治験が終了して実臨床でいつから使えるかということと、この記事にもあるように遺伝子検査が条件を満たした場合しか保険適応じゃないということ。そして検査で効果が見込まれる薬剤が保険適応ではないこともあるということでしょう。
膵臓がん「生存期間を2倍に延ばした」新薬の臨床試験結果 世界のがん治療医がスタンディングオベーションしたワケ(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
日本は、塩崎恭久元厚労相が会長を務め、国会議員や科学者で構成される「ゲノム医療推進研究会」が、今年4月に「がん遺伝子パネル検査の運用制限撤廃」や「保険適用の拡大」、「創薬・医療実装の好循環の早期実現」を目指すべく提言を発表しています。今後の動向に注目です。 ■最新の膵臓がん検診と診断 抗がん剤やゲノム検査だけでなく、検診・診断においても、膵臓がん対策は進歩しています。 現在のところ、症状がない一般の人に向けた膵臓がんの有効ながん検診は確立されていません。しかしながら、「膵臓がんを発症しやすい高リスクな個人を特定し、定期的な画像検査を行うこと」は、早期発見に向けた最も確実なアプローチとして、国内外のガイドラインで推奨されています。
血縁者に膵臓がんの人が複数いる(特に第一度近親者:親・子ども・きょうだいに膵臓がんの人がいる)人や、BRCA1などの遺伝性乳がん・卵巣がん症候群に関連する遺伝子変異を持つ人、遺伝性膵炎の人、膵管内乳頭粘液性腫瘍や膵嚢胞(のうほう)を指摘されている人がハイリスク群です。 また、糖尿病、慢性膵炎、肥満、喫煙や大量飲酒歴のある人も、リスクがあります。 前述したハイリスク群に対しては、主にMRI検査と超音波内視鏡検査(EUS)を用いて、早期発見に努めます。MRIは放射線被曝がなく、1センチ未満の小さな嚢胞性病変を見つけ出すのに優れています。EUSは、内視鏡の先端についた超音波機器で、胃や十二指腸から膵臓の様子を見ることができるため、CTでは見えにくい病変を探し出すのに優れています。
ガイドラインでは、これらを通常1年に1回の頻度で行うことが推奨されています。 このほか、初期サインとして「新規発症の糖尿病」が現れることがあるため、新たに糖尿病と診断された人は、かならず血液検査や超音波検査で膵臓の異常の有無をチェックすることになっています。 検査の進歩に関して言えば、血液中の微量ながん由来DNAやRNAなどを検出する「リキッドバイオプシー」や、CTの微細な変化を深層学習アルゴリズムで見つけ出すAI(人工知能)による検査など、より早期かつ負担の少ない技術の開発が急速に進んでいます。
■大きな福音となった今回の結果 40年前、膵臓がんに「希望」という言葉は医学的に見て現実的ではなく、治療を担当する医師にとっても、膵臓がんの患者さんに寄り添うことはつらいものでした。しかし、2013年のブレイクスルーから始まった創薬の連鎖は、患者さんにとってはもちろん、医療者にとっても大きな福音となりつつあります。 今回の発表は、膵臓がんが「克服できる病」として語られる、新たな時代の幕開けを感じるもので、それがスタンディングオベーションにつながったのだと思います。

