アレルギーと油

 

以前から栄養療法ではオメガ3油がアレルギーの予防やがんの予防に効果があるという論文が多い。

薬でアレルギーを抑え込むのも医者の仕事だと思うけれども、アレルギーの根本の原因がオメガ6油の過剰摂取にある事も分かっているのだから食事のとり方にも注意をするように患者さんにお教えることも大切である。

いつの間にか医者は薬屋さんのセールスマンになっている。薬を出す事しかしない医者はいずれロボットやコンピューターに取って代わられると思う。医療が製薬メーカー主導の薬漬けになっているという批判も実は正しいと思う。

 

 

1日スプーン1杯の「アマニ油」でアレルギー予防の可能性

7/3() 16:56配信

 

夕刊フジ

【食と健康 ホントの話】

 

ひと昔前までは、ダイエット・健康の敵と考えられてきた食用油。現在では、体内で作られない必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6脂肪酸)を意識してバランス良く摂ることが推奨されている。

 

とくに良いと言われるのが、オメガ3系脂肪酸。魚の油に多く含まれるEPAやDHA、そして、亜麻仁油やエゴマ油に多く含まれるα(アルファ)リノレン酸だ。

 

オメガ3脂肪酸の健康効果については、悪玉コレステロールや中性脂肪の低減、抗炎症効果などによる動脈硬化抑制や生活習慣病リスクの低下、肥満抑制や脳の老化予防効果などが有名。さらに近年注目されのが、アレルギー抑制効果だ。

 

順天堂大学の研究グループは2018年に、オメガ3脂肪酸の食事での摂取がアレルギー性結膜炎(花粉症)を改善するメカニズムの解明に成功したと発表。また、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、ワクチン・アジュバント研究センターの國澤純センター長らは同年、さらにはそれに先立つ2015年に、アマニ油を摂取した後に体内で増加する、抗アレルギー性物質の1種を解明し、皮膚と腸管のアレルギーの抑制に働くと発表した。

 

同研究グループは、卵アレルギーの下痢のモデルマウスを使い、通常のエサに用いられる大豆油4%を含むエサで飼育した群と、アマニ油4%を含むエサで飼育した群を比較。後者がアレルギー性下痢の発症を抑制することがわかった。

 

アマニ油などに多く含まれるαリノレン酸は、体内でEPA、DHAに変換される。最近わかってきたのは、EPAやDHAはさらに体内の酵素によっていろいろな代謝物ができてくること、そしてその代謝物の1つとして、同実験で「17、18-EpETE」というものが非常に増えてきていることを確認した。

 

「そこでさらに私たちは、すべてのマウスを大豆の油で飼育して、その後にこのEpETEを投与しました。そうすると、何もしないとマウスは下痢を発症しますが、化学合成したEpETEを投与すると、アマニ油のときと同じように下痢の発症が抑制できたのです。さらに最近の私たちの研究から、同代謝物は食物アレルギーだけではなく、アレルギー性の接触皮膚炎も抑制することがわかってきました」

 

國澤センター長は、この実験から、アマニ油から変換されたEPAの代謝物は、アレルギーの予防はもちろん、発症した後に治療的に投与しても効果がある可能性を確認。「予防だけではなく、治癒薬にもつながるのではないかと期待しているところです」

 

次のことも研究で確認している。

 

〈アレルゲン(抗原)が体内で認識されると、マスト細胞からアレルギー反応を引き起こす物質が放出されるが、アマニ油の作用によって放出が抑制される〉

 

〈アマニ油に多く含まれるαリノレン酸の量を、アマニ油を与えたマウスの腸管で測定すると、αリノレン酸が非常にたくさんたまっている。つまり、食べた油そのままの脂肪酸の割合が体に出現〉

 

〈腸管のどの部位にどんな脂肪酸が蓄積しているのかを解析すると、免疫細胞がたくさんたまっているところにαリノレン酸が多く蓄積していることを確認し、免疫系に強く影響していると考えられる〉

 

オメガ3脂肪酸の摂り方は、EPAやDHAは生の青魚やサプリメントで。アマニ油やエゴマ油は火を通さずに、1日スプーン1杯(約5グラム)程度を摂るとよいそうだ。(医療ジャーナリスト 石井悦子)

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190703-00000020-ykf-soci