カテキンとテアニンが神経膠腫のリスクを減らすことがわかっている。

緑茶の成分はいろんな疾患に効果がると言える。

高血圧改善、メタボリックシンドロームのリスク低下、酸化ストレスの低下、高齢者の認知機能の低下、運動時の抗酸化作用、抗うつ作用、大腸腺腫のリスク低下作用があります。

暑き時も寒いときも、毎日緑茶を飲むことは良い習慣だと思う。

私も毎日飲んでいます。

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神経膠腫(グリオーマ)リスクとお茶・コーヒーの摂取 [20190716()]

 

今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、お茶およびコーヒーの摂取と、神経膠腫(グリオーマ)リスクとの関連を検証した疫学研究が、米国のグループ(Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School)から報告されていました。

Int J Cancer. 2019 Jul 15.

 

http://www.dhcblog.com/kamohara/category_12/

これまでの疫学研究によって、コーヒーの摂取による生活習慣病リスクの低下が知られています。

 

 

例えば、コーヒーの摂取による2型糖尿病リスク低下、脳卒中リスク低下、うつ病リスク低下、肝がんリスク低下、認知機能の低下抑制などがあります。

 

コーヒーに含まれるポリフェノールの1種、クロロゲン酸の抗酸化作用などの作用を介した効果と考えられています。

 

 

緑茶には、カテキンと、テアニンが含まれています。

 

カテキンは、ポリフェノールの一種で、タンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。

 

カテキンは、一番茶では約1214%、二番茶では約1415%と増加します。

 

玉露のように光が当たらないよう被覆栽培されるものは、カテキンの生成が抑えられ、煎茶よりも少なくなります(その代わり、玉露にはテアニンが多く含まれます)。

 

緑茶カテキンの抗がん作用も知られています。

 

これまでの観察研究では、

 

緑茶やコーヒーの摂取によるがんリスク低減作用が示されています。

 

ただし、神経膠腫(グリオーマ)への作用は明確ではありません。

(神経膠腫(しんけいこうしゅ)は、悪性の脳腫瘍の1つです。グリオーマとも呼びます。

神経膠腫は、神経膠細胞から発生します。)

 

そこで、今回の研究では、

 

お茶、コーヒー、カフェインの摂取と、

 

神経膠腫(グリオーマ)リスクとの関連が検証されました。

 

 

具体的には、

ナースヘルス研究(Nurses' Health Study (NHS))の女性、

ナースヘルス研究Ⅱ(Nurses' Health Study II (NHSII))の女性、

および、Health Professionals Follow-up Study (HPFS)の男性を対象に、

 

質問票による食事調査及び、診療記録からのグリオーマの診断が調べられました。

 

 

554例のグリオーマが見出されました。

(256 in NHS, 87 in NHSII, 211 in HPFS)

 

 

解析の結果、

 

茶飲料の摂取について、

 

1週間あたり1杯未満の摂取群に比べて、

 

茶飲料の高摂取群は、

 

グリオーマリスク低減傾向が見出されました。

 

12杯以上では27%のリスク低減傾向

(HR = 0.73, 95%CI: 0.49-1.10 for >2 cups/day, p-trend = 0.05),

 

次に、

性別の解析では、有意差は見出されませんでした。

(女性;HR = 0.74, 95% CI 0.47-1.18 for >2 cups/day, p-trend = 0.11)

(男性;HR = 0.70, 95%CI 0.30-1.60 for >2 cups/day, p-trend = 0.30)