グルコサミンの有用性に関するエビデンス 

グルコサミン膝関節痛や炎症反応を抑制する働きがあります。ただし軟骨の再生や破壊の抑制かどうかは明らかではないようです。

もう一つ、寿命が延びるかもしれないと言う点が新たな研究結果です。

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変形性膝関節症の予防/リスク低減や症状の改善を訴求する機能性食品成分の中では、グルコサミンが最もエビデンスレベルが高いと思います。 グルコサミンは、抗炎症作用、軟骨細胞でのシグナル伝達作用、長寿関連遺伝子活性化など多彩な作用を有しており、基礎研究から臨床試験、疫学研究まで多くの知見が集積されています。 これに対して、医薬品は、消炎鎮痛薬ですので、短期的にNSAIDsを利用することはあるとしても、長期間の投与は不適切です。 中期的、長期的な有効性や安全性を考慮し、エビデンスを俯瞰するとき、変形性関節症の予防/リスク低減の目的で、グルコサミン(1500m~)の利用が推奨されます。 グルコサミンの膝OA(変形性膝関節症)に対する有効性は、2001年のランセットに報告された臨床研究によって、広く知られるようになりました(Reginster)。 その後、多くの研究によって、グルコサミンによる膝OAへの有効性が示されています。 一方、否定的な研究も散見され、特に2006年のGAIT研究が、その後のメタ解析の結果にネガティブなバイアスを与えるようになりました(Clegg)。 しかし、2014年以降に報告された最新の研究では、グルコサミンによる膝OAへの有効性が支持されています。 具体的には、 2014年のLEGS研究や2015年のMOVES研究などがあります(Fransen Hochberg)。 なお、GAIT研究は、プロトコールに問題が指摘されており、偽陰性のデータです。 グルコサミンの投与量は、一般に1,500mg/日です。 臨床試験では、1,000mg3,000mgの投与例があります。 硫酸塩に関して、臨床試験での投与期間は、4週間から3年間でした。 グルコサミンの血中濃度は、単回投与のほうが、分3による投与よりも高くなることが示されており、グルコサミンは単回投与が推奨されます(Persiani)。 また、前述のように、グルコサミンサプリメントの経口投与後、血液中および関節液(滑液)中にグルコサミンが検出されます(Pastorini)。 近年、グルコサミンの働きが、アンチエイジングの分野でも注目されるようになりました。 まず、米国での5年間のコホート研究では、77,719名を対象に、10年間のサプリメント摂取と死亡率が検証され、グルコサミンあるいはコンドロイチンの摂取と17%の死亡率低下との相関が示されています(Pocobelli)。 また、グルコサミン摂取と18%の死亡率低下、コンドロイチン摂取と14%の死亡率低下というデータも知られています(Bell) NHANES研究では、グルコサミンやコンドロイチンの摂取によるCRPの低下が認められました(Kantor)