患者さんは57歳男性です。肺腺癌でステージはⅢbでした。
大学病院で治療しましたが抗がん剤も効かず、放射線療法を行い余命宣告をされて
来院されました。
来院時は放射線療法後で食欲もなく味覚がおかしくなり貧血も進んでいました。
放射線はこれ以上照射できない状態だったので、医師からは普通3か月、長くても6か月で
再発すると言われました。そして再発したら抗がん剤も効かないためもう打つ手がありませんとのことでした。

ある意味余命宣告を受けていたと、患者さんは言っていました。
来院後すぐにビタミンC点滴と温熱療法、食事療法に取り組みました。
それまでは好きなものを好きなだけ(と言っても抗がん剤で味覚がなくなっており、放射線療法で
食欲もなく貧血状態でしたので大したものは食べていなかったと言います)食べていました。

しかし、そこから患者さんは生食(生野菜、刺身、豆腐納豆、ヤサイジュース)中心の食事に切り替えていきました。最初は食べると(ジュースを飲んでも)のどが痛いと言っていました。

また初日から自律神経免疫療法も取り入れ、ツメモミとハリ治療も開始しました。
その後瞑想や呼吸法、自律訓練法なども取り入れました。全て患者さんの自然治癒力を向上するためです。
仕事は抗がん剤の入院を期にやめたそうです。もともと自営業でしたが、仕事を始めた10年くらいは毎日夜中まで仕事していたそうです。ここ10年は仕事も軌道に乗り、夕方には終わっていたそうですが、仕事が終わると友達と飲みに行ったり気楽に過ごしていたそうです。

もし仕事が悪いとしたら、かつては規制のなかったアスベストや各種金属類に暴露される仕事だったと言います。それ以外は夕方には仕事も切り上げ友人たちと会ったりゴルフしたりとそれなりに楽しい毎日だったそうです。

そう考えると癌になった原因は
① 最初の10年間の激務
② アスベスト、有害金属の暴露
あたりでしょう。

ともかく、来院後はさまざまな治療を行ってきました。そして、つい先日大学病院の診察で言われたことは、「奇跡的なことだが、癌がなくなっている。画像では癌が石灰化して固まっているし、血液検査でも異常がない。異常だった腫瘍マーカーが消えている、考えられないことが起きている」ということでした。そして、
「もう、今までのように検査する必要もないので次は3か月後に来てください」と言われたのです。

今日、患者さんは喜んでいました。でも本人にもなんとなく治ってきている実感があったそうです。まずは、余命宣告されたときに「あと2年生きれたらいいわ、その間に好きなことして生きていればほかに思い残すこともない」と思ったそうです。余命を宣告されたから悩み苦しんでいたため、そうやって考えたのです。

すると逆に体からスーッとストレスがなくなってゆく感じがしたと言います。気が楽になるというか、恐怖感が消えたのでした。それもよかったと思います。ストレス、中でも自分が死ぬことに関してのストレスは恐怖感、不安感が最大のものでしょう。それをあっさり受け入れて「やるだけやってダメだったら仕方ない、2年あれば、いや1年でもいい、好きに生きれたら満足や」と開き直りともとれる考え方をしたのが良かったと患者さんは考えました。

こうやって何かスーッとつきものが取れる感覚があった時に体の中で何かのスイッチが入ったのかもしれません。患者さんがそのほかに良かったことで挙げていたのは瞑想とか呼吸法でした。
瞑想は自律神経が安定方向に向かったり、免疫力が上がる効果が確かめられていますから徐々に効いてきたのかもしれません。いずれにしても患者さんの精神状態は体よりも先に良くなっています。

そして、当院での治療は以下のものでした。特別なものはありません。
①ビタミンC点滴
②温熱療法
③食事療法
④自律神経免疫療法
⑤瞑想
⑥呼吸法

ただ、患者さんがほかの方と違ってたのはこれらの治療に非常に熱心に真面目に取り組んでこられたことです。
瞑想や呼吸法のヒーリングの勉強会にも欠かさず参加され、毎回寡黙に取り組んでいた事を思い出します。

私は常日頃から医療が癌を治すわけではないと言っていますし、本当に思っています。治すのは患者さんの自然治癒力なのです。今回はビタミンC点滴や温熱療法で患者さんの治癒の良いお手伝いができたと思っています。