ビタミンDの効用は骨を強くすることが日本では広く知られているが、実は癌での死亡率の低下に関連があり、喘息の増悪リスク低下に関連もある。

またインフルエンザの予防効果もあり今の季節には欠かせない栄養素と言えるだろう。

 

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アレルギー病学の専門ジャーナル(電子版)に、喘息の病態と、血中ビタミンD値との関連を調べたメタ解析が、オーストラリアのグループ(University of Melbourne)から報告されていました。(Allergy. 2015 Jan 28.) 近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。 一般に、健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、 1日あたり25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます ビタミンDは、ディフェンシンの産生を亢進し、インフルエンザなどの呼吸器感染症リスクを減らすことが知られています。 また、観察研究では、ビタミンD値と喘息に関連した呼吸器障害との関連が示唆されています。 さて、今回の研究では、血中ビタミンD値と、喘息の病態との関連が検証されました。先行研究では、 喘息患者において、ビタミンDが低いことが示されています。 具体的には、主要医学データベースから、血中ビタミンD値と、喘息の罹患率・発症率、重症度、増悪などとの関連が調べられています。 23報(症例対照研究2報、コホート研究12報、横断研究9報)が抽出されました。 解析の結果、血中ビタミンD値(25(OH)D)が高いほど、喘息の増悪リスクが低いという相関が見出されました。一方、罹患率や重症度との関連は明確ではありませんでした。また、各研究報告は異質性が高く、メタ解析には限界がありました。 以上のデータから、ビタミンDによる喘息増悪リスク低下作用が示唆されます。 今後、ビタミンDサプリメント投与など介入試験による因果関係の検証が期待される分野です。 類似した先行研究として、 高用量のビタミンDによる小児喘息への効果:メタ解析 という報告もあります。 近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。一般に、健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、 1日あたり25マイクログラム(1,000 IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。 多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。 米国での関連学会は、下記の推奨をしています。 米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨 米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。 そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。 (これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。 なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。) 米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU~2,000 IUを推奨 米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。 1歳未満の乳児は400~1,000 IU、 1歳~18歳では600~1,000 IU、 19歳以上では1,500 IU~2,000 IU サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。 日本からの報告では、ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果 が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。 (欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000~2,000IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。) 今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。 日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。 たとえば、 日本人妊婦の90%がビタミンD不足血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い というデータがあります。 DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。 ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、 臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、という報告もあります。 マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。