ビタミン剤による効果としては昔から高血圧にはビタミンEと言われている。このたびそれを裏付ける研究があった。三分位で摂取量が多い群と少ない群で見たら19-27%のリスク低下ということです。
サプリメントを摂取する人と食事で相違はないということですから、健康に気を付けてビタミンの豊富な食生活を送ることが大切であるということです。
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栄養学研究の専門ジャーナルに、ビタミンEによる高血圧改善効果を示したメタ解析が報告されていました。(J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2014;60(4):239-45.)

ビタミンEは、代表的な抗酸化ビタミンの1種です。トコフェロールとトコトリエノールに大別され、それぞれα、β、γ、δに分けられるために合計8種類があります。

ビタミンEは、抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が期待され、ベーシックサプリメントとして広く利用されています。

さて今回の研究では、2007年の全国健康栄養調査データから、ビタミンEの摂取と、高血圧症との関連が検証されました。
具体的には、40歳以上の男性1,405名(平均63.5歳)、女性2,102名(62.4歳)を対象に、
栄養素の摂取量を推計し、ビタミンEの三分位について高血圧リスクとの関連が調べられました。

解析の結果、ビタミンE摂取量の多い群では、少ない群に比べて、高血圧患者の割合が有意に低いことが見出されました。(p for trend=0.01)

エネルギー量で補正後、ビタミンEの摂取量が多い被験者は、
高血圧リスクと関連する他の栄養素、つまり、カリウムやマグネシウム、ビタミンCの摂取量も多いことが見出されました。

ビタミンEの摂取量の三分位で最低群に比べて、中程度の群では、高血圧リスクが27%低下していました。(OR 0.73, 95% CI; 0.62-0.87))
また、最高群では、19%のリスク低下が見出されています。(OR 0.81, 95% CI; 0.69-0.96)

なお、ビタミンEの摂取量が多いと高血圧リスクが低いという相関は、サプリメント由来でも栄養素由来でも同じ(サプリメントの影響を除いても同じ)となっています。
以上のデータから、ビタミンEによる高血圧リスク低下作用が示唆されます。