ダイエット外来を開設して早くも9年がたった。この間毎月述べ100人程度は見ているから相当の数の患者さんにダイエットを指導してきた。
私自身ダイエットを苦労して行ってきたからはじめたダイエット外来だったが、最近はちっともダイエットをしていない自分がいる。
去年の春にダイエットして4kgやせた程度である。それも最近また太ってきて現在の状況はかなり悪くなっている。ちなみに開業当初の私のデータをつい最近のデータを並べてみよう。
体重 | 体脂肪率 | 体脂肪量 | 除脂肪量 | 水分量 | |
01.10.01 | 73.5kg | 13.8% | 10.1kg | 63.4kg | 46.4kg |
10.10.29 | 77.4kg | 16.2% | 12.5kg | 64.9kg | 47.5kg |
この9年間でいろいろと変わったなあと実感している。
勿論年齢も37歳から46歳へと年もとった。男性更年期といわれる年になった。
運動量も激減している。かつてはボデイビルのコンテストに出場するくらいに激しい運動量を誇っていたのが、今はゴルフである。
これでは筋肉量が減るのも仕方がない。
しかし、このデータだけを見たら
「たいしたことないじゃないか、先生。太ってなんかないでしょう。」
と言われるのである。見た目も昔から筋肉があるようには見られたことがない。勿論ジムなどでタンクトップ姿になればそれなりに凄いねといわれることはある。
しかし、見た目は細めに見えるらしい。
実は現在ウエストのサイズが85cmを超えようとしている。2001年当時は82cmだった。その頃のズボンは今当然入らない。気に入っていた革のパンツがあったのだが、妻からたんすの肥やしにするのか、といわれて泣く泣く捨ててしまった。
というか持っていてもはけないのだ。こんな悔しいことはない。気にいっている服が着れないのだ。逆にスーツの上着はだぼだぼになっている。最大体重だったのは2003.年3月20日である。このときはトレーニングがもっとも充実していた。
体重 | 体脂肪率 | 体脂肪量 | 除脂肪量 | 水分量 | |
03.03.20 | 81.3kg | 18.2% | 14.8kg | 66.5kg | 48.7kg |
データ的にも筋肉量が66.5kgもあったのだ。現在が64.9kgだから正味で1.6kgも違っている。この除脂肪体重を増やすことは本当に難しい。体重を落としたりすることはその逆に筋肉量の減少が体重として大きく反映されるから簡単なのだ。筋肉は当然脂肪よりも思いのである。比重で言うと2倍もないだろうが、1.5倍程度はあるのではないか。
ともかくこの頃は毎日仕事が終わったら、筋トレだった。メインのトレーニングはバーベル100kgでベンチプレス3セット、デッドリフト3セット、スクワット3セットである。その後はエアロバイクを1時間程度は漕いでいた。体も今と違って胸囲は110cmを超えていてスーツは誂えないと入らなかった。調子に乗ってゼニアのスーツを作ってみたが今ではだぼだぼである。パンツのウエストだけがきつくなっているのだ。困ったものだ。
こういう風におなか周りの脂肪が内臓脂肪といわず、皮下脂肪といわず大量に蓄積し始めたのだ。なぜだろうか?単に運動不足だろうか?単に食事が増えたのか?
私の運動量はしかし大して変わってない。体重は徐々に増えている。筋力は明らかに低下していて、ゴルフのために筋トレを休んでいたのを最近再開したが、今は100kgのベンチプレスはできない。先日80kgを何とか上げた程度である。これは私が26歳の頃の筋力と同じだ。そしてこれは数値ではないが、私の腹囲は明らかに大きくなっている。
そこで私は考えた。これは単なる運動不足ではない。暴飲暴食でもない。食事には結構気をつけている。夜の食事などはほぼ毎日サラダだけだ。週末の2日間だけ普通の人のように食べているが、それ以外は食べてない。
・・・・・・・きっと、これはホルモンの低下ではないか。そう考え、早速アメリカの検査会社に連絡し検査キットを送ってもらって検査してみた。
すると、かなり深刻な事実が明らかになった。きっと同じような状況の日本人は多いのだろう。しかし、日本の医学はこのアンチエイジングやダイエットに関してはまったく遅れてしまっていてきちんとした評価をする医師もいなければ検査機関もない。これではメタボが増えてみんな病気になるだけだ。
明らかなホルモン低下の場合は、いくら運動をしても無意味である。むしろ若い頃よりも運動量を増加させる必要があるので怪我の原因になったり、疲弊して関節の変性疾患を引き起こすだろう。
この肥満の原因は実は男性ホルモンの低下にあったのだ。
つまりテストステロン低下状態でなのである。