自律神経免疫療法を提唱し始めたのは福田稔先生であるが、先生は自律神経免疫療法は患者さんが治るお手つだいをしているだけだと述べている。

「・・・、病気を治しているのは患者さん自身の免疫力であるということである。私は血流を整え、免疫力を高めるお手伝いをしているにすぎません。実際、私の治療で劇的に回復した患者さんたちは、皆さん「病気をなおすぞ」おちう気持ちを強く持ち、食事に気と付け、血流を良くする工夫をし、ストレスへの対処法を編み出して心身両面の養生を行っています。」(自律神経免疫療法入門、福田稔著)

そして治るためにもっとも大切なことを3つの教えとして書いています。
「3つの教え」
1、バランスの取れた食事をとること
2、運動をして汗をだし、心身のわだかまりや悪い物を体外に排出させること
3、病は自分で治すのだという気力を持ち続けること。

なんでもない内容であるが、実はなかなか守れない。そもそも薬や医療に依存してきている現代人にはむつかしい考え方かもしれない。しかし、これは養生なのだとおもうこと、治療は自分で養生することなのだと思うことが大切である。

現代のがん治療は手術、抗がん剤、放射線療法、すべてが患者さんの手出しできない治療法である。また、一般的な病院では自分で食事に気を付けるとか養生するという考え方は患者さんに教えることはないだろう。だから患者さんは治療は医師任せでいいと考える人が多くなる。しかし、進行がんで抗がん剤を使っていて効果がなくなった時に、「そろそろ緩和ケアの病院へ行きましょう」といわれるときに受ける絶望感は、医師任せにしている人ほど大きいだろう。

我々は自分の体に責任を持つべきである。癌や難病になったのも自分の運命だし、ひょっとして食生活が間違っていたか、自分の体にストレスをかけてきたせいかもしれないではないか。
また精神的に常にストレスを感じるような間違った考え方をしてきたためかもしれない。
こう考えて、自分にできることをコツコツすることが大切であると自律神経免疫療法は言っているのである。

そのうえで自律神経免疫療法を受けると効果が明らかであると福田医師は言っている。逆に医師、病院依存的な考えの患者さんは治療期間が長くなるとも述べている。それだけの違いがどうして出てくるのだろうか?それは自律神経は人間の精神活動に深くかかわっているからだと私は考えている。

つまり、治療時間はせいぜい30分程度であるが、脳からの命令は常に出ている。24時間患者さんの思考により脳から出るホルモンのほうが自律神経に働きかける力はより強いのである。脳がストレスによりアドレナリンを放出している限り、いくら自律神経免疫療法をしても無駄だろう。ここで心身医学の考えを適応しなければならない。

我々の脳が体を痛めつけているのである。
脳を変えれば悪いホルモンは出ないのであるから、考え方を変えることが実は重要な治療になるのだ。