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第2回リオルダンIVC&cancerシンポジウムに参加して。~パート1

 

今年もカンサス州でのシンポジウムに参加してきた。

日本からは5人の医師が参加した。そのうち私が所属している研究会のメンバーが会長も含めて5人だった。

前回、第1回目のシンポジウムがあまりにも素晴らしく、かつその後日本の学界でもそのスピーカーが数人出席していたことから今回は話の内容に目新しいものは無いのではないかと思っていた。

考えてみれば、2004年にライナスポーリングやリオルダンの弟子たちがビタミンCがガンに効くというを証明し、製薬メーカーや利権者たちの謀略を覆し臨床試験にまで持っていったのだ。そのために様々なin vitro の実験を行ったりin vivoでのエビデンスの蓄積に努めており、それが日の目を見たのだからかなりの研究結果が一気に我々に提示された。

2009年去年はそういった意味では驚きの一年だった。

 患者さんにとっては詳細なデータはあまり直接には役には立たないだろう。しかし、我々にとっては大きな情報である。

たとえば、去年のシンポジウムではBR研究所のジャロン・メン医師から驚くべき発表があった。

 

1、がん細胞は創傷治癒機能をになう細胞である。

2、ガンは創傷治癒能力のある生物だけに発生する。

3、ガンの発生は85歳を過ぎると減少する

4、もし遺伝子の突然変異ががんの原因ならどうして85歳を過ぎるとガンの罹患率が減少するのだろう?

5、ガンの発生は従来の遺伝子異常では説明できない。むしろ創傷が原因ではないか。

6、肝炎、腸炎、胃炎、胃潰瘍、前立腺炎、子宮びらんなどはガンの危険因子である。

7、ガンは炎症や創傷治癒過程にかかわって増殖する。したがって免疫、栄養、などの環境が整えばいつでも増殖を食い止めることが出来る。

8、すなわちガンの治療の考え方としては
① ガンが創傷治癒の機能を持つものならば、治療は創傷治癒を支援するものであるべきで、がん細胞を殺すことではない。

② がん細胞を殺す治療は、創傷治癒とは異なっている。
③ 治癒過程を無視してがん細胞を破壊すると再びガンは再燃する

④       ビタミンC点滴は創傷のない環境を作り、がん細胞がこれ以上働かなくても良いようにすることである。

そして、結論として高濃度ビタミンCはがん細胞を殺す働きがあるけれども、がん細胞が発生しないような環境を体内で作ることが大切であると述べている。それは、体内の重金属の除去だったり、ビタミンC以外の抗酸化物質の投与だったりアルファリポ酸の投与、そのほかの栄養素の補給、酸化反応を起こさない生活習慣、食事のとり方、適度な運動などが必要になってくる。

だから、ある物質の投与だけでガンが治るなんて考えることは間違っているのだ。体全体からがん細胞が必要なくなる環境を作ることが本当の意味でガンを根治することになるのである。