サプリメントの効果が学会で報告されると、どのようにサプリメントを使えばよいかが分かる。新聞のチラシは怪しげなネットワークビジネスの我田引水な説明を信じる患者さんが多いが、お金の無駄になるだけなのでやめてほしいものだ。

クロレラに関しては抗酸化作用やQOLの向上効果があることが分かった。使い方を知るには学会報告をよく読むことだ。

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補完代替医療研究の専門ジャーナルに、クロレラ摂取による乳がん患者でのQOL(生活の質)改善作用を示した臨床研究が、久留米大学のグループから報告されていました。 (Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:704619.) クロレラ(Chlorella species)は、淡水産の藻の一種です。タンパク質やアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類といった栄養素が豊富であり、抗酸化作用のある葉緑素(クロロフィル)の含有量も多いことから機能性食品素材/サプリメント成分として利用されています。今回の研究では、クロレラによる乳がん患者でのQOLへの作用が調べられました。具体的には、乳がん患者45名を対象に、・対照群(ビタミン・ミックス・タブレット投与) ・クロレラ顆粒投与、・クロレラ熱水抽出物含有ドリンクのいずれかを1ヶ月間投与し、QOLが測定されました。 QOL指標として、乳がん患者QOLに用いられるFunctional Assessment of Cancer Therapy-Breast (FACT-B), the Izumo scale for abdominal symptom-specific QOL が利用されました。なお、対象の乳がん患者は、自宅療養中/通院中であり、入院患者ではありません。 36名分のデータが解析されています。試験開始時には、FACT-Bスコアについて各群に差はありませんでした。介入後、クロレラ顆粒投与群において、Breast Cancer Subscaleスコアの有意な改善が認められました。 (P = 0.042) (なお、FACT-B は、FACT-General (FACT-G) と Breast Cancer Subscale (BCS)で構成されます。) クロレラ抽出物投与群の50%の被験者では、疲労感の減少や乾燥肌の改善といった効果が認められました。 (対照群に比べて有意差あり。P < 0.01) 以上のデータから、クロレラによる乳がん患者でのQOL改善作用が示唆されます。クロレラやスピルリナに関する研究として、次のような報告があります。 クロレラによる血管機能改善作用 クロレラによる抗酸化作用@日本人高齢者 クロレラによる抗酸化作用@喫煙者 妊婦におけるクロレラサプリメントの効果 スピルリナの抗酸化作用  スピルリナによる免疫賦活作用 スピルリナによる糖尿病治療薬の副作用軽減