自己免疫疾患においてビタミンDの低下と疾患のリスクに相関関係がありそうだという研究である。ビタミンDは不思議なビタミンであり、昔は骨密度の低下した患者のための治療に使うだけであったが、最近はがんの治療、自己免疫疾患の治療、など難病系の治療にも良く使われている。

サプリメントで摂取できて副作用も少ないので摂取見てはいかがだろうか。

 

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今月のSLE研究の専門ジャーナル(電子版)に、若年発症SLE患者における血中ビタミンD値を調べた研究が、イタリアのグループから報告されていました。(Lupus. 2014 Apr 14.)

近年の研究によって、さまざまな生活習慣病や慢性疾患の患者では、血中ビタミンDの低値が示されています。
今回の研究では、若年発症全身性エリテマトーデス(juvenile-onset SLE、JSLE)患者におけるビタミンD値が調べられました。

具体的には、白人の若年SLE患者45名(男性9名、女性36名、平均年齢18.9 ± 6.3歳)および年齢・性別を一致させた正常対照群109名について、DXA法による腰椎スキャンが行われ、
血中カルシウムとリン、BSAP、PTH、25(OH)D値が測定されました。

解析の結果、若年性SLE患者では、正常対照群に比べて、血中ビタミンD値(25(OH)D)が有意に低値でした。(p&#8201;<&#8201;0.005)

また、SLE患者群のサブ解析では、活動性の患者群のほうが、非活動性の患者よりもビタミンDが有意に低値でした。(p&#8201;<&#8201;0.05)

さらに、SLE患者では、正常対照群に比べて、
血中カルシウムが低値(p&#8201;<&#8201;0.001),
血中リンが高値(p&#8201;<&#8201;0.001),
BSAP (p&#8201;<&#8201;0.001) とPTH (p&#8201;<&#8201;0.001) も高値でした。

その他、腰椎の骨密度は、正常対照群に比べて、若年SLE患者では低値であり、
患者群では、血中ビタミンD値が低いほうが、骨密度も低い、ということです。

以上のデータから、若年発症SLE患者では、ビタミンD不足が広く認められることが示唆されます。
今後、ビタミンDサプリメント投与により、SLEの臨床指標が影響されるかどうか、介入試験による臨床的意義の検証が期待されます。

近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。

また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000~2,000IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)

今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。

日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。