メタボリック症候群の患者さんたちの多くがCAMを利用しているというデータが出てきている。では、CAM利用者にメタボからの改善する率が高いというデータがあるかというとそうでもないと、勝手に想像している。

ダイエットサプリメントやハーブを使うことと、病院での薬を内服することの違いはどこにあるのだろうか?我々が行っている統合医療の最高の治療法はおそらくはライフスタイルの改善だと思っている私は、サプリメントやハーブの効果を否定するものではないが、サプリメントやハーブを購入して服用すればメタボは直るなどという安直でばかげた考えは持っていない。

最強の治療法はメタボになった原因を生活の中から取り除くことである。

 

**************

http://www.dhcblog.com/kamohara/

今月の統合医療の専門ジャーナル(電子版)に、メタボリック症候群患者における補完代替医療(CAM)の利用状況を調べた研究が、イギリスのグループ(University of West London)から報告されていました。
(J Integr Med. 2014 Apr 16.)

これまでの研究によって、さまざまな年齢層や人種、疾患群にて補完代替医療(CAM; complementary and alternative medicine)が広く利用されていることが示されています。

今回の研究では、メタボリック症候群患者における補完代替医療(CAM)の利用状況が調べられました。
具体的には、横断研究として、大学関係者300名を対象に、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満といった指標(自己申告)から、メタボリック症候群の有無によって、CAMの利用状況が調べられています。

192名から回答が得られました。
39%(n=76)が、何からのCAMを過去12ヶ月の間に利用していました。

メタボリック症候群を有する被験者(n=54, 28%)では、非メタボの被験者に比べて、CAM療法の利用率が有意に高いことが見出されました。(P<0.05)

個別のCAMの中では、ダイエタリーサプリメント、ハーブサプリメント、アロマセラピー、マッサージ療法の利用率が高いという結果でした。

以上のデータから、メタボリック症候群の有病者では、非メタボの人に比べて、CAM利用率が高く、
サプリメントなどが広く利用されていることが示唆されます。