食事として考えた場合、地中海式の食事がもっとも習慣化しやすいのではないか。
今流行の低炭水化物食事は糖尿病の治療食としては優秀だと思うが、炭水化物を摂取できない点では問題があるといえるだろう。全粒穀物でいいから炭水化物を取りたい人は多いと思う。
ただし、治療食として考えると低炭水化物食は理にかなっているだけでなく、治療効果も元も高いと考えられる。
お勧めの食事は普段地中海式の食事をして、たまに断食をする。(断食は遺伝子を活性化し免疫力をたかめ、若返りの遺伝子を活性化することが分かっている)
そして、病気となった場合には低炭水化物食事をメインにするのがいいと思う。
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今月の科学誌に、地中海食+オリーブオイルによる血中脂質組成改善作用を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。(PLoS One. 2014 Mar 20;9(3):e85202.)
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
今回の研究では、心血管リスクを有する被験者において、血中の脂質構成に対する地中海食の効果が検証されました。(本ブログでも何度かご紹介している、PREDIMEDという研究の一環です。)
具体的には、多施設共同ランダム化対照試験として、心血管疾患リスクを有する424名(55歳から80歳)を対象に、
・地中海食+バージンオリーブオイル摂取群、
・地中海食+ナッツ類摂取群、
・対照食群(低脂肪食推奨群) (n=310)
の3群について、1年間の追跡が行われました。
解析の結果、1年後の時点において、バージンオリーブオイル併用投与群では、
血中パルミチン酸とオレイン酸の有意な上昇、
血中マルガリン酸、ステアリン酸、リノール酸の有意な低下が認められました。
一方、ナッツ併用投与群では、
血中パルミチン酸とリノール酸、α-リノレン酸の有意な上昇、
ミリスチン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、ジホモ-γ-リノレン酸の有意な低下が見出されました。
地中海食摂取の2つの群で認められた、オレイン酸とαリノレン酸の上昇は、
メタボリック症候群に関連する生活習慣病のリスク低下に有用と考えられます。
以上のデータから、
バージンオリーブオイル+地中海食投与群、あるいは、ナッツ類+地中海食投与群による血中脂質構成の改善が示唆されます。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。