コーヒーの摂取による前立腺がんリスク低下作用@メタ解析

コーヒーの作用で驚くのはクロロゲンの抗酸化作用である。酸化がいかにからだに悪いのか、普段酸化を抑える食品をとってないことがどれだけさまざまな病気を引き起こしているのかを考えなければならない。

その意味ではビタミンを摂取することも同様に大切なことだと思われる。

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今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、コーヒーの摂取と、前立腺がんリスクとの関連を調べた研究が報告されていました。(Cancer Causes Control. 2014 Mar 2.)

これまでの研究において、コーヒーの摂取による健康維持・生活習慣病予防効果が報告されています。
コーヒーに含まれるポリフェノールの1種、クロロゲン酸の抗酸化作用を介した効果と考えられています。

さて、今回の研究では、コーヒーの消費量と、前立腺がんリスクとの関連について、メタ解析が行われました。
具体的には、主要な医学データベースから2013年6月までの研究が対象となり、
12報の症例対照研究から前立腺がん患者群の7,909名、対照群の9,461名について調べられました。

層別解析の結果、コーヒーの摂取が最低群に比べて、コーヒー摂取量が最高群(1日あたり4杯から5杯の摂取)では前立腺がんリスクの有意な低下(9%低下)が認められたということです。(OR 0.91, CI 0.86-0.97)

また、がんのステージ分類やグレード(Gleason grade)に関する解析でも同様の傾向が見出されています。
以上のデータから、コーヒーの摂取が多い(1日4~5杯の摂取)と、前立腺がんリスクが低いという相関が示唆されます。

これまでの疫学研究によって、コーヒーの摂取による生活習慣病リスクの低下が知られています。
例えば、コーヒーの摂取による2型糖尿病リスク低下、脳卒中リスク低下、うつ病リスク低下、肝がんリスク低下、認知機能の低下抑制などがあります。

コーヒーにはファイトケミカルの1種であるクロロゲン酸が含まれており、抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が示唆されています。
(カフェイン以外のコーヒーの主要な成分として、フェルラ酸(ferulic acid)、カフェ酸(caffeic acid,)、クロロゲン酸(chlorogenic acid)が知られており、いずれも抗酸化作用を示します。これらの中ではクロロゲン酸が比較的多く存在します。)

これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
例えば、次のような研究が知られています。
コーヒーによる肝臓がんリスク低下作用
コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連
コーヒーの摂取による口腔咽頭がんリスク低下作用
チョコレートとコーヒーの摂取と肝機能の関係@HIV-HCV重複感染者