地中海食とオリーブオイルについてはさまざまな研究があるが、概ね健康に関してはプラスのは票ばかりが目立つ。

中でも減量、老化防止、ガン防止、心臓血管系の健康に関する研究が多い。

今回も糖尿病に関する良い結果が出ている

******************

http://www.dhcblog.com/kamohara/

今月の内科学の専門ジャーナルに、地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる2型糖尿病リスク抑制効果を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Ann Intern Med. 2014;160(1):1-10-10)

地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。

今回の研究では、2型糖尿病の一次予防における地中海食の働きが検証されました。
(2003年10月から2010年12月まで行われた、Prevención con Dieta Mediterránea試験という研究の一環です。)

具体的には、55歳から80歳までの被験者3541名を対象に、(被験者は心血管疾患リスクを有するが、非糖尿病)
・地中海食+エクストラバージンオリーブオイル摂取群、
・地中海食+ナッツ類摂取群、
・対照食群(低脂肪食推奨群)の3群について、
4.1年間の追跡が行われました。なお、運動や減量に関する介入は行われていません。

追跡期間中の新規糖尿病発症者数は、
・地中海食+エクストラバージンオリーブオイル摂取群:80名、
・地中海食+ナッツ類摂取群:92名、
・対照食群(低脂肪食推奨群):101名
でした。

1000患者年あたりに換算すると、
・地中海食+エクストラバージンオリーブオイル摂取群:16.0、
・地中海食+ナッツ類摂取群:18.7、
・対照食群(低脂肪食推奨群):23.6
となっています。

多変量解析の結果、2型糖尿病のリスクは、対照食(低脂肪食)群に比べて、地中海食+エクストラバージンオリーブオイル摂取群では40%のリスク低下、(HR;0.60, 95% CI, 0.43 to 0.85)
地中海食+ナッツ類摂取群では18%のリスク低下(0.82, CI, 0.61 to 1.10)
でした。

以上のデータから、心血管疾患リスクを有する人において、
地中海食+エクストラバージンオリーブの摂取による2型糖尿病予防効果が示唆されます。

地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
地中海食で死亡率が半減する
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。

オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。