一方で関節裂隙の狭小化の抑制(つまり膝の軟骨が減ることの抑制)があり、その他関節の炎症を抑制する働きもあるという結果になっている、ただし、今回は痛みに関しては変化がなかったということだ。

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今月のリウマチ学の専門ジャーナル(電子版)に、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメント投与によって、関節裂隙狭小化を抑制する効果を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Sydney)から報告されていました。(Ann Rheum Dis. 2014 Jan 6)

今回の研究では、変形性膝関節症患者(膝OA)において、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメント投与による、関節裂隙狭小化(Joint Space Narrowing, JSN)への作用が検証されました。

具体的には、2年間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として、45歳から75歳の慢性膝痛を示す患者605名を対象に、(JSNが認められるが、JSW関節裂隙は2mmを超えて保たれている患者)
1日あたり、

・グルコサミン硫酸1500 mg投与群 (n=152)、
・コンドロイチン硫酸800 mg (n=151)、
・両者の併用群(n=151)、
・偽薬対照群(n=151)
の4群について介入が行われ、

JSN(mm)が2年間にわたり測定され、
最大膝痛が0-10の自覚スコアで評価されています。

解析の結果、BMIや性別、試験開始時の疾病重症度などで補正後偽薬対照群に比べて、グルコサミンとコンドロイチンの併用投与群では、2年間の関節裂隙狭小化(JSN)が有意に減少した(p=0.046)、
(0.10 mm (95% CI 0.002 mm to 0.20 mm))
ということです。

膝痛の指標は、最初の1年間ではすべての群で低下しましたが、群間での有意差は認められませんでした。
2年間で34名(6%)の被験者において有害事象が見出されました。
以上のデータから、膝関節痛を有する中高年において、グルコサミンとコンドロイチンの併用投与は、
関節裂隙狭小化の進行抑制を介して、膝関節症の改善・進展抑制を示すと考えられます。