ビタミンDが低いと死亡率が高い

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公衆衛生学の専門ジャーナルに、血中ビタミンD値と、死亡率との関連を調べたメタ解析が報告されていました。(BMC Public Health. 2013 Jul 24;13(1):679)

近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。
65歳以上の全死亡率について、英国では、高緯度のグラスゴーのほうが、リバプールやマンチェスターよりも30%高いことが知られています。
高緯度地域に居住する白人では、ビタミンD不足のリスクが高まります。

そこで、今回の研究では、ビタミンDの低値と、死亡率との関連について、系統的レビューとメタ解析が行われました。
具体的には、Medline, EMBASEといった各種データベースから2012年2月までの関連した研究が抽出されています。
9報の24,297名の参加者がメタ解析の対象となりました。

追跡期間中に5,324名が死亡しています。
各種の交絡因子で補正後、血中ビタミンDが高値の群に比べて、低値の群では、全死亡率が19%高くなっていました。(HR 1.19, 95% CI 1.12-1.27)

年齢層別解析では、高齢者層では25%高い死亡率、若年者層では12%高い死亡率でした。
以上のデータから、ビタミンDが低いと、全死亡率が高いという相関が示唆されます。
この関連は、若年者よりも高齢者のほうで顕著でした。

一般に、健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。
ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000~2,000IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)

今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。

たとえば、日本人妊婦の90%がビタミンD不足

血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。

DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。

ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。