にんじんジュース危険なのか?
最近アメリカのジョージワシントン大学でビタミンAがガン細胞の成長を助けることがはっきりとしたという論文が出ているという記事を読んだ。
と思ったらCancerという雑誌の2008年7月1日号に高濃度のビタミンAは喫煙者の肺がんの危険性を増加するという記事を見つけた。
以前からRCTにおいてもベータカロチンはがん患者には投与するのは危険性が高いといわれていたが、今回はもっと進んで喫煙者にはさらに悪い影響がることを示唆する論文である。
今までガンに効くゲルソン療法と言う食事療法ではにんじんジュースを大量に飲ませていたのだが、この論文を読んでしまうと喫煙者は肺がんになる可能性が上がるし、肺がん患者はビタミンAによって癌の増殖が加速する恐れもあるというのだ。
肺がん患者にとってはゲルソン食も有害ということだろうか。ちなみにハーバード大学の研究者によると低脂肪食やマクロビオテイックの食事はあえて否定するほどの害悪はないが治療的有効性は無いと結論されている。
我々医師はちまたに広がる庶民的治療を統合医療として無批判に受け入れることはないがこうしたエビデンスが示された際にはきちんと評価して行く必要がある。
何でもかんでもにんじんジュースを飲ませている民間治療があると聞いているが、このブログを見ている方は注意していただきたい。