加工肉の摂取は膵臓がんのリスク 

 

肉がガンを増悪する因子であることはコリンキャンベルによって報告されているが、加工肉がもっと悪い影響を与えることが報告されている。、

食事には気をつけることである。

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今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、赤肉類および加工肉の摂取と、膵臓がんのリスクとの関連について調べたメタ解析が、スウェーデンのグループ(Karolinska Institutet)から報告されていました。
(Br J Cancer. 2012 Jan 12. doi: 10.1038)

肉類(赤肉、赤身の肉類;(牛肉・豚肉・羊肉など))・加工肉の摂取は、がんのリスクを高めることが知られており、世界がん研究基金などのがん予防指針では、肉類の摂取を減らすことが推奨されています。

今回の研究では、赤肉の摂取と、膵臓がんのリスクとの関連が調べられました。
具体的には、2011年11月までのPubMedとEMBASEのデータベースから該当する論文が抽出され、解析されています。
前向き研究11報、膵がん患者6,643例がメタ解析の対象となりました。

その結果、
1日あたり120グラムの赤肉の摂取は、13%リスクを上げる傾向が認められました。
(RR; 1.13 (95% CI=0.93-1.39; P(heterogeneity)<0.001)

まず、性別の解析では、男性でのリスクが見出されました。
男性では、赤肉の摂取は、膵臓がんリスクを29%、有意に高めることが示されています。

(RR=1.29; 95% CI=1.08-1.53; P(heterogeneity)=0.28; five studies)

一方女性では、有意差は認められていません。
(RR=0.93; 95% CI=0.74-1.16; P(heterogeneity)=0.21; six studies)

次に、加工肉の摂取については、一日あたり50グラムの摂取によって、膵臓がんリスクが19%、有意に高くなるというデータが得られました。(95% CI=1.04-1.36; P(heterogeneity)=0.46)

以上のデータから、膵臓がんリスクと肉食の関連について、
男性では赤身肉の摂取、
男女とも加工肉の摂取
がすい臓がんのリスクを高めると考えられます。

少食の高齢者にとっては、肉類の摂取は、タンパク質や脂質、エネルギーの源となりえます。
一方、中高年の世代では、健康増進・疾病予防の点から、赤肉類・加工肉類の摂取は控えるほうが好ましいというデータが示されています。

AICRなどの指針でも、
獣肉類の摂取によるがんリスクの増加が示されており、
赤身の肉や加工肉類の摂取を減らすことが推奨されています。