葉酸サプリメント摂取と前立腺がんリスク低減@デンマーク

がんのリスク低減、動脈硬化のリスク低減など葉酸は良い作用が多い。サプリメントを取ることも良いし、葉酸が多く含まれている枝豆や芽キャベツを多く食べると良いだろう。

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今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、葉酸サプリメントの摂取と前立腺がんリスクとの関連を調べた疫学研究が、デンマークのグループから報告されていました。

Cancer Causes Control. 2013 Mar 22)

今回の研究では、食事あるいはサプリメントからの微量栄養素の摂取と、前立腺がんリスク低減との関連が検証されています。

具体的には、前向きコホート研究として、50~64歳の男性26,856名を対象に、ビタミンC、E、葉酸、βカロテンの摂取と、ライフスタイルが調べられ、前立腺がんリスクとの相関が調べられました。

追跡期間中(1993-2010)、1,571名の前立腺がん患者が認められました。
解析の結果、葉酸サプリメントの摂取は、前立腺がんリスクと負の相関が見出されました。

葉酸サプリメントの摂取が、1日あたり100マイクログラム増加すると、前立腺がんリスクが12%低下したということです。
また、悪性度の低い(non-aggressive)がんでは、葉酸サプリメントの摂取が1日あたり100マイクログラム増加するごとに、リスクが29%低下しています。

一方、食事由来の葉酸の摂取と、前立腺がんリスクとの間に有意な関連は見出されていません。
その他の微量栄養素の関連も見出されませんでした。

以上のデータから、葉酸サプリメントの摂取と、前立腺がんリスク低減との関連が示唆されます。
今後、介入研究による検証が期待される分野です。

葉酸はビタミンB群の一つです。
妊娠初期に不足すると、小児の発達障害を生じ神経管欠損症のリスクを高めることから、日本でも、妊娠中の葉酸サプリメントの利用が推奨されています。
(葉酸は、妊娠初期において重要ですので、妊娠がわかってから摂取するのではなく、妊娠を計画している時点で摂り始めるのがポイントです。)

成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する葉酸サプリメントの効果が知られています。
また、大腸がん抑制など抗がん作用も知られています。