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http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/1413

泌尿器科学の専門ジャーナル(電子版)に,ノコギリヤシを含む複合サプリメントによる慢性前立腺炎改善効果を示した臨床研究が,イタリアのグループ(University of Messina)から報告されていました。
(Urol Int. 2010 Mar 24.)

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(chronic prostatitis/chronic pelvic pain syndrome; CP/CPPS)は,疼痛,排尿不全,性機能不全などの愁訴を伴う難治性の疾患です。(CP/CPPSは,前立腺炎のNIH分類でカテゴリーⅢになります。)

今回の研究では,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)の症状に対して,ノコギリヤシを含む複合サプリメントの効果が検証されています。
具体的には,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)(NIH分類カテゴリーⅢa)患者102名を対象に,

--ノコギリヤシ(Serenoa repens)+セレン+リコピンの複合サプリメント--ノコギリヤシ単独のいずれかが8週間投与され,関連指標として,NIH慢性前立腺炎症状指数(NIH-CPSI,National Institutes of Health-Chronic Prostatitis Symptom Index),国際前立腺症状スコア(IPSS),PSA値などが測定されました。(主エンドポイントはNIH-CPSI,副エンドポイントはMPFR,IPSS,PSA,白血球数。)
(試験の脱落者はなし。)

投与の結果,両群ともNIH-CPSIの有意な低下(改善)が認められました(p < 0.001)。
このとき,ノコギリヤシ複合サプリメントのほうが,ノコギリヤシ単独サプリメントよりも顕著な改善が示されています。(複合サプリメント:27.45から13.27へ低下。マイナス51.64%。)
(単独:27.76から20.62 へ低下。マイナス26.06%。)

また,IPSSも,両群とも有意に改善しています(p < 0.001)。
なお,PSA値と白血球数は,複合サプリメント投与群において有意に減少(改善) (p < 0.007)し,MPFRも同様に改善(p < 0.005)が示されています。

以上のデータから,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)の症状に対して,ノコギリヤシ,セレン,リコピンの複合サプリメントによる改善効果が示唆されます。

ノコギリヤシは,前立腺肥大症の症状改善に広く用いられるハーブで,多くの臨床試験で有効性が示されています。
リコピン(リコペン)は,トマトなどに含まれるカロテノイド系ファイトケミカルで,前立腺がんや肺がんのリスク低下作用が知られています。

セレンは,抗酸化作用を有する必須ミネラルの1種で,DHC製品ではマルチミネラルに含まれています。