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点滴療法研究会から情報が届いた。シンプルだが意義ある発表だと思われる。

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イタリアの臨床試験で、抗酸化サプリメントが大腸ポリープの再発を抑制
することがわかりました。この研究は 2012年10月に発行されたJournal of
Gastroenterology誌において発表されました。

<要 約>
内視鏡による大腸ポリープ(腺腫)切除を受けた患者を2群に分け、164人に
抗酸化サプリメント(セレニウム 200μg、亜鉛 30 mg、ビタミンA 2mg、
ビタミンC 180mg、ビタミンE 30mg)、166人にプラセボを投与した。
平均4年の観察で100人に再発、内訳は抗酸化サプリメント服用群が38人、
プラセボ群が62人であった。15年間の観察で、抗酸化サプリメントは再発
リスクを39%抑制した。今後は大腸腺腫から大腸がんへの進行抑制を期待
できるかについて臨床試験が必要である。

Bomelli L et al. Antioxidant supplement and long-term
reduction of recurrent adenomas of the large bowel.
A double-blind randomized trial. J Gastroenterol. 2012 Oct 13.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23065023

<コメント>
抗酸化予備能が高ければポリープの再発を抑制することを示した論文です。
どのステージのがん患者においても抗酸化予備能を高く維持するためにも
抗酸化サプリメントの服用は必須です。私はビタミンC 4-12g、セレニウム
400-600μg、アルファリポ酸 400mg、ビタミンD3 5000IU、亜鉛50mg、
その他ビタミンA,ビタミンB群などを全例に投与します。

              点滴療法研究会 会長 柳澤厚生