糖尿病治療薬が乳癌に効果的である。
一般的に血糖値が高いことは癌の発育を手助けすることは十分考えられる。
1900年代初頭にオットーワールブルグにより、がん細胞の代謝経路はグルコース、糖主体であることがわかっているのだからがん患者は低血糖状態を維持するのがもっとも抗がん的な体内環境なのだ。。

別の研究で絶食すると癌に対して二つの効果があることがわかっている。
1、抗がん剤の効き目が増大する。
2、抗がん剤の副作用が減る

普通だと食べなければいけないと考えるだろうが、実際の臨床研究では低血糖状態、絶食状態はがん患者にとってむしろ好ましい状態であることがわかっているのだ。
後は、それを医師が患者に勧めることだとおもう。
患者も、勿論低血糖、食欲不振を恐れないことだ。
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http://www.cancerit.jp/18129.html
キャンサーコンサルタンツ
2012年7月2日

メトホルミンは糖尿病治療のために一般的に処方されている血糖降下薬である。Journal of Clinical Oncology誌速報版に発表された研究結果によると、メトホルミンは閉経後の女性糖尿病患者の浸潤性乳癌発症リスクを低下させる可能性がある。

乳癌は米国において最も多い癌である(皮膚癌を除く)。毎年およそ227,000人の女性が乳癌と診断され、40,000人近くが死亡している。

米国疾病管理予防センターによると米国ではおよそ2,580万人が糖尿病に罹患しており、そのうち95%がインスリン抵抗性を特徴とする2型糖尿病である。インスリンは体内のグルコース濃度(ブドウ糖)を制御するホルモンである。2型糖尿病はインスリンを分泌し、使う機能が低下する病気である。メトホルミンはインスリンの感受性を高め、2型糖尿病を治療する薬剤である。

メトホルミンが乳癌の発症リスクを低下させるという証拠がいくつかある。関連性を調べるため、研究者らは女性の健康イニシアティブの研究データを解析した。研究では3,401人の糖尿病患者を含む68,000人の閉経後の女性が11年8カ月(中央値)観察された。研究期間中3,273人の女性が浸潤性乳癌と診断された。この大規模研究には、乳癌のリスク因子、初期のマンモグラフィ画像、乳癌の診断、糖尿病の罹患歴などについての詳細情報が設定されていた。

データを分析した結果、研究者らはメトホルミンを服用している人は、服用していない人より浸潤性乳癌の発症リスクが25%低いことを発見した。この理由は明確ではないが、研究者らはメトホルミンが癌の発症に関わるmTOR 経路を阻害するためだと推測している。

メトホルミンを癌予防薬と考えるのは時期尚早であり、本研究結果によって診療が変わることはないであろう。しかしながら、今後もメトホルミンおよび癌発症リスクに与える同薬の影響について、さらに研究が進められるだろう。

参考文献:

Chlebowski RT, McTiernan A, Wactawski-Wende J, et al. Diabetes, metformin, and breast cancer in postmenopausal women. Journal of Clinical Oncology. Published early online June 11, 2012. doi: 10.1200/JCO.2011.39.7505