医療崩壊は近い将来に必ず起きるだろう。それは他人事ではない深刻な事実だ。そして、その事実に背を向けて無為無策なのがこの国の姿である。医療の質を高めるには医療従事者の医療離れを止める必要がある。しかし、現場の大学の教授たちは旧来の頭の固い発想で、若手医師の動向に対して何も良いアドバイスもできない。
それは為政者がするべきことである。現場の大学教員は医学の狭い分野の専門家であっても対局判断はできないし、できたとて予算を組みなおして医療を変えるのは政治の役割だ。
では僕なりの処方箋を示しておく。これは将来来る最悪を防ぐための小さい悪い改革でもある。すべてが良いことは無く痛みを伴うことも覚悟がいる。
①無駄な医療をやめる。
これは風邪薬、シップなどの保険はずし、さらに終末期医療の国際水準への移行。これによって大きな医療費が節約できる
②高額医療の自己負担分を増やす
財政が破綻しかけているのだから自己負担を増やすのは当たり前である。
③医療費の増額:救急医療と手術費用
今の医療にかけているのはここである。考えてみてほしい。美容外科の簡単な二重瞼の手術に20万円出すのに盲腸の手術が5万円である。おかしい。こんなことするから外科医の給与は上がらないし学生が美容外科に行きたがる。
④医学部教育改革
美容外科医は医学部以外の資格でできるものとする。特に外来日帰り手術のように危険性が少ないものは看護師資格でも構わないとする。こうすることで美容外科医になる医師が減るはずだ。なぜなら美容施術師(新しい資格)が簡単になれるために増えて価格破壊が起きて医師がする仕事ではないと認識されるからである。医師がするよりもメイクアップアーチストあたりがアドバイザーになって看護師が新たな資格を取ってすればいい。
まだまだたくさん言いたいことはあるが、僕が言っても実現しないのでやめておく。政治家は少し勉強して医療の現実を学び対策を考えるべきである。
*************
「がんの手術も2~3カ月待ちが当たり前になる」現役の病院長だからわかる"10年後の日本が直面する医療崩壊"(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
「がんの手術も2~3カ月待ちが当たり前になる」現役の病院長だからわかる"10年後の日本が直面する医療崩壊"

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/davidf
日本の医療崩壊が始まっている。京浜病院院長の熊谷賴佳さんは「2035年頃には、心臓の手術を待っている間に死亡する人が続出し、がんの手術も2〜3カ月待たないと受けられないのが当たり前になるだろう」という――。 【図表】OECDの平均値と比較した英国の治療成績の標準偏差 ※本稿は、熊谷賴佳『2030-2040年医療の真実 下町病院長だから見える医療の末路』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。 ■若い医師は外科や産婦人科、救急科などを敬遠 海外へ目を移してみると、日本が2030年から2040年頃には直面する医療崩壊に近い状態になっている国もある。例えば、英国では、すでに皆保険制度が破綻寸前になって、医療へのアクセスが制限されている。日本の医療崩壊を食い止めるためにも反面教師となりそうな海外の例を紹介する。 2040年までは、特に都市部で命に関わる病気の手術や入院患者は増え続けるのに、医師や看護師、検査技師、臨床工学技士などの医療従事者が不足するだろう。生産年齢人口は減る一方なので、いくら医学部や看護学校の定員を増やしたところで、きつくてそれほど収入が高くない職種に若い人は集まらない。 すでに現時点でも、若い医師には、皮膚科や美容外科、眼科など、ワークライフバランスを取れそうな診療科が人気で、体力的にきつく長時間勤務を強いられるイメージのある外科や産婦人科、救急科などは敬遠されている。 中高年の医師が、いくら「俺たちの時代は休みなんかないのは当たり前だった」などと言っても時代錯誤だと笑われるだけだ。ほとんどの職種が人手不足で、働く側としては売り手市場なのだから、医師以外の医療資格を持っている人たちが、もっと勤務条件がよく収入も高い職種にどんどん流出してもおかしくない。このままでは、戦前の国民皆保険制度がなかった時代に逆戻りする恐れがある。 ■病院の受診や手術の待機時間が長過ぎる英国 世界に目を向けると、医療制度は大きく3つのタイプに分けられる。1つは、英国やカナダ、スウェーデンなどのように、医療が100%税金で賄われている国営・公営方式、2つ目は、日本やドイツ、フランスのような社会保険方式、3つ目は、米国のように基本的には民間の医療保険を使って医療にかかる民間方式だ。なお、米国では、民間の医療保険に加入できない低所得者を対象にしたメディケイド、高齢者と障害者を対象にしたメディケアという公的な医療制度が一応あるが、受けられる医療が限られる。 英国では、本書の第4章で紹介した家庭医であるGPを受診する際も、そこから紹介されて専門医のいる病院を受診する際も、救急医療も税金で賄われるので、自己負担なしで治療が受けられる。メンタルや生活面も含めてトータルに患者を診られる家庭医がいる点は評価できるが、問題は医療が常にひっ迫していて、病院の受診や手術の待機期間が長過ぎることだ。お金とコネのある富裕層の中には、手術が必要な病気になったときには、ドイツやフランスの病院で治療を受けている人もいるという話だ。