日本をはじめとして東アジアでは100万人当たり死亡者数が3~6人程度で欧米の100分の一で済んでいる。これは日本人が綺麗好きであるからではなく、中国人が漢方医学を利用したからでもない。韓国人がドライブスルーPCR検査をしたからでもなく、インド人がお金も医療もないのに瞑想したからでもない。

単に流行当初のウイルスに悪性度が低かったからのようだ。

一方ヨーロッパでは最悪のウイルスが流行したようで、死亡者数は100万人当たり500~700人と相当の人数が死に至っている。しかしである、このスウエーデンはロックダウンもせず、学校を閉鎖することもなく、レストランや居酒屋を休業要請もなく、国民の外出制限を自主的にさせている。マスクもしていない。なのに、死亡者数はヨーロッパの中では平均よりも少し低い数値で経過している。

ロックダウンと言う経済活動を破滅させ、失業者数を増大させる政策をしなくても集団免疫がつけば同じような被害で済むと言う事を示している。

日本の8割おじさん西浦先生の派閥と、京都大学を中心にした自然免疫派の戦いは西浦派閥が勝利し、緊急事態宣言のもと経済を止めてがっつりと自粛を国民に強いたのである。私はおそらく、自然免疫派閥の言うように外出活動の自粛だけでも同様の効果があったのではないかと考える。

今回のコロナでの死者数は日本では874人である。
例年インフルエンザで1万人程度、肺炎で10万人程度が死亡する。
今年はコロナで自粛が徹底したためインフルエンザの患者すも少ないし、肺炎患者数も少なかったと言われている。ちなみに、毎年お餅がのどにつかえて死亡する人が1500人いるそうである。だとすると、今年のコロナの自粛は科学的には意味があったのか?中国、韓国、インドと変わらない死亡者数であるのは自粛のおかげなのか?それともほぼ自然な感染によるものを少し減少したのか?
科学者としては検討するべき問題だと思っている。

ただし、コロナを恐れる日本の一般大衆にとっては自粛は絶対に必要だったし、政治家にとっても格好の指導力を発揮する好機だったにちがいない。この騒ぎで一番得をしたのは誰だろうか?
一般大衆は自己批判が出来ず、ただただ情報に振り回されるため一番損するのは歴史の常である。

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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72901

スウェーデンの集団免疫、いよいよ「効果アリ」の声が聞こえてきた
世界も雰囲気が変わってきた

みゆき ポアチャ
ジャーナリスト
プロフィール

生活は普段とほとんど変わらない
4~5月と暖かい晴天が続き、スウェーデンの人々は軽装になって街へ繰り出している。
通りのカフェでは多くの人がランチやフィーカ(コーヒーブレイク)を楽しんでいるし、ショッピング、レストランやバー、スポーツジムにも通常通り出かけている。マスクをして出歩いている人は、ほぼ一人も見かけない。

運河沿いに座って陽射しを楽しむ人々(著者撮影)

私自身は、4月最後の週末には近所の友人ら二十数人とビールを飲みながら、川べりでソーセージを焼いてバーベキューピクニックを行なった。
5月初めの週末には義弟一家がやってきて二泊し、庭でラムを焼いたりサーモンを焼いたりして、まったりと過ごした。
この季節にはほぼ毎年繰り返される、いたってありふれた日常だ。
Googleのデータによると、この間のスウェーデン人の行動パターンは、レストランやショップ、およびエンターテインメントに関連する活動の動きは1月~2月に比べて3月~4月は13%減少したが、公園など野外へ出かける人は82%増加している。
ちなみに近隣諸国と比べると、レストラン・ショップ・エンターテインメント関連活動は、同期間にフィンランドでは45%減、ノルウェー43%減、デンマーク22%減である。厳格な封鎖策が実施されているイタリアとスペインでは92%の減少だ。  つまりスウェーデン人の行動様式は多少変化はしたものの、近隣国と比べるとほとんど変化ないと言っていいだろう。

驚くべきことに(と言っても、スウェーデンにいる身からすると驚きではないのだが)、スウェーデンの大多数の人々は、コロナ危機が勃発する以前から今日に至るまで、ほぼこれまでと変わらない日常を送っている。我が家の高校生の長男は自宅でオンライン授業を受けているが、中学生の長女、小学生の次女は普段通りバスで学校へ行っている。
特筆すべきことなど、ほとんどないのだ。

自宅でオンライン授業を受ける著者の長男(著者撮影)

長男は給食の代わりに、市内の好きなレストランでランチを受け取り、自宅で食べる。QRコードを見せて無料で受け取れ、費用は自治体が負担。この施策により外食産業も恩恵を受けている。
集団免疫策を採った唯一の国
有効なワクチンが開発されていない段階で、新型コロナウイルスを抑制するには、軽度の感染者をどんどん増やして、国民の半数以上が体内にウイルスに対する抗体を持つ集団免疫の形成が一つの有力な対策とされる。
この集団免疫策を採っているのは世界で唯一スウェーデンだけである。
スウェーデンは強制的な封鎖や移動制限、飲食店への休業命令などを導入せず、国民にできるだけ外出を控えるよう要請するという緩やかな対策を実施している。その上で重篤な発症者を出さず、医療破綻を避けながら経済や国民生活にも過度なダメージを与えず、集団免疫を獲得していくという戦略を実施している。
厳重な閉鎖や自粛策をとらない場合、人口が多く、人の交流が多い大都市のほうが、免疫保有率が高くなり、より早く集団免疫の形成が達成される。
一定の地域で集団免疫が形成されると、その地域に他から感染者が入ってきても、周囲のほとんどが抗体保持者なので他人に感染していかず、ウイルス危機が再発しない。感染して抗体を得た人は一定期間、体内の抗体が維持され、その間は人に接しても他人から感染しないし、他人を感染させることもない。

なので、新型ウイルスの抗体を得ている人は、行動を自粛する必要がない。都市閉鎖に近い状態になっても、広範な抗体検査を実施し、抗体を得ていると確認できた人から順番に、病院や役所や企業や店舗や学校に復帰して働くようにしていく。国民の大半が集団免疫を得た後なら、高齢者が外出しても感染しなくなる。このような方法でウイルス危機を克服でき、安全に閉鎖を解いていくことができる。
これに対し都市閉鎖(ロックダウン)や外出自粛の強要は、感染拡大を一時的に遅らせるが、閉鎖や自粛を解いたら感染拡大が再発するので根本的な解決策ではない。有効なワクチンが存在しない中でのコロナ危機の解決策は集団免疫の獲得だけである。

「集団免疫で死者急増」は本当か

多数の人を感染させる集団免疫策は「命を危険にさらす」策だと批判されているが、スウェーデンでのコロナによる死亡率は高くはない。ロックダウンを継続している他の欧州国で、死亡率がスウェーデンよりも高い国はたくさんある。
5月10日の時点で、人口100万人あたりのスウェーデンのコロナ死者数は314人である。
ロックダウンを続けている他の欧州諸国を見ると、人口あたりの死者数がスウェーデンより多い国はベルギー751、スペイン566、イタリア502、英国475、フランス392、オランダ316となっている。3月から完全にロックダウンをした英国と比べても、スウェーデンは好成績だ。
都市閉鎖をしないスウェーデンが、他の都市閉鎖をしている欧州諸国より低い致死率であるということは、スウェーデンの集団免疫策は現段階では成功していると言えそうだ。

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(https://www.statista.com/statistics/1104709/coronavirus-deaths-worldwide-per-million-inhabitants/ をもとに著者作成)
ちなみに、スウェーデンでの死亡者の87%が70代以上であるが、これは高齢者施設でクラスター(集団感染)が発生したことが主な死因だ。死亡者の多くが高齢者施設に住んでいたことを考えると、ロックダウンをしなかったために死亡者が増えた、と短絡的には言えないだろう。

私見であるが、新型ウイルスで亡くなる人の多くは高齢だったり、もともと持病を持っていた人であると考えられるので、このウイルスによる世界全体の死者数はおそらくそれほど急増しないのではないか。日常的に、どこの国でも毎日数十万人もの人々があらゆる病気で亡くなっているからだ。高齢や病気で亡くなる人の死因に「コロナ」が追加されるというイメージだ。

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(https://www.statista.com/statistics/1107913/number-of-coronavirus-deaths-in-sweden-by-age-groups/ をもとに著者作成)

「ロックダウン」か「集団免疫」か?
しかし現在、世界のほとんどの国が過酷な都市封鎖(ロックダウン)や外出規制などの措置を敷き「コロナ封じ込め」策をとっている。
顕著な例は中国だ。

中国は1月末以降、全国的に強烈な都市閉鎖を数か月にわたって行い、感染拡大を何とか封じ込めた。その結果、ウイルスの増殖が抑えられて感染拡大が落ち着き、新たな感染者が少なくなった。しかし都市閉鎖と外出規制の結果、免疫保有者が増加せず、集団免疫が形成されていく過程が進んでいない。
つまり確定的な終息の状態にはならないままである。これは真の解決ではない。
中国はこの後、自国内で感染拡大を抑えて国内での人の移動や交通が再開できても、免疫保有者があまりいないところに他国から新たな感染者が入ってきた場合、再び感染が広がってしまう。そのため、国外からの人の流入と、中国人の海外渡航を、今後もずっと大きく制限し続けねばならない。
こうしてロックダウン策は、長期間にわたる都市や国家の閉鎖により、経済の停滞を引き起こし、経済破綻、財政破綻、金融破綻、雇用と市民生活、教育を破綻させ、貧困を拡大させるなど、現代社会に甚大な影響を与える。それぞれの国が国境を封鎖し都市を閉鎖して、国際的なネットワークが解体されている。
非常事態宣言は経済と社会、市民生活に打撃を与え、グローバリゼーションの足を引っ張る。

集団免疫の達成は「茨の道」か
集団免疫策に不確定さとリスクがあるのは事実だろう。
スウェーデンは、世界から「集団免疫策は人殺し政策だ」「人命を尊重していず倫理的に問題だ」という批判を受け続けている。世界保健機関(WHO)はロックダウンを奨励しているし、米国トランプ大統領は「スウェーデンはロックダウンしないという決断に対し多額の代償を支払っている」と名指しで批判している。

これら有形・無形の批判や妨害に屈したのは英国とオランダだ。
英国ジョンソン政権は3月15日に集団免疫策を発表した。これは、都市を閉鎖せず、高齢の家族と同居していない若者の出勤・通学を容認し、高齢者や持病持ちを擁護しつつ若者から順番に集団免疫を獲得させていくという案だったが、批判を受け数日後に撤回した。
オランダもほぼ同時期に集団免疫策を提示したものの道半ばで放棄し、結局都市閉鎖の政策に転換した。断念に至った背景は、表向きは「危険度が高いことが判明したからだ」と説明されているようだ。
しかしワクチンが開発されていない現段階では、何らかのやり方で集団免疫に到達することしか、コロナ危機の真の終息はない。

現在の都市閉鎖策のマイナス面も勘案しつつ、積極的な集団免疫策を試行錯誤していく方が、コロナ危機による被害の総量を減らせるのではないのだろうか。
集団免疫の達成まであと一歩
新型ウイルスの感染力は非常に強いが、感染しても無症状で回復する人が9割近いと言われている。こうして抗体を持つ人が徐々に増えているようだ。
スウェーデンの保健当局である公衆衛生局のアンダーシュ・テグネル博士は4月16日、首都ストックホルムでは集団免疫が達成しつつある兆候を示し始めており、感染抑止に効力を発揮し始めたと言及した。

5月7日、ストックホルム・リンケビー地区では、アル=シャカージ医師が「この地区では集団免疫がほぼ達成されたようだ」と報告した。
そして5月9日には、ストックホルム大学のトム・ブリトン教授が、英ノッティンガム大学との共同研究で「スウェーデン人口の40%が免疫を持てば集団免疫が達成でき、ストックホルムでの感染の拡大は6月中旬に止まる」ことを示す数理モデルを示した。テグネル博士も「これが実現するのは完全に可能だ」としてこの論を支持している。

ブリトン教授によると、リバプールの別のグループもこれとほぼ同じ結論に達している。ハーバード大学の著名な疫学者であるマーク・リプシッチ氏もこの報告に言及し、前向きにツイートした。
公衆衛生局は、集団免疫の進展具合に関する調査報告を5月中に発表するとしている。
スウェーデン以外でも、例えばイタリアでは4月24日、1日のコロナによる死者数が3月19日以来の最低数を確認したと報告された。
これも明らかに、集団免疫が達成しつつあることを示していると言える。
世界の雰囲気も変わってきた
これらの事実を受けて、世界の風向きも変わってきたようだ。

4月30日、世界保健機関(WHO)のエグゼクティブディレクターであるマイク・ライアン博士は、スウェーデンは発生の最初からすべての正しい動きをしたとし、同国を新型コロナウイルスとの闘いにおける世界の"モデル"として賞賛した。
「私は多くの点でスウェーデンが将来のモデルを表していると思いますーロックダウンされていない社会に戻りたいのであれば」。
米欧より数週間早くコロナ感染が始まった東京や大阪などの大都市での免疫保有率は、おそらくもっと高率のはずだ。非常事態宣言が発動されなければ、なし崩し的に集団免疫に近づいていたのかもしれない。
世界各国が集団免疫に向かっていたら、早晩各種の国際ネットワークやグローバリゼーションが再開されていただろう。

「社会科学の実験国家」ともいわれているスウェーデンは、これまで世界初の新機軸を次々に打ち立ててきた。
そしてこのたびも、「集団免疫の獲得」という、国民の多数の命がかかった壮大な実験を行おうとしている。
レナ・ハレングレン保健社会相は、世界保健機関(WHO)主催の会見で「我が国は自国の状況に最善と判断される対策を実行しているのです」と言明している。スウェーデンは、米国や他欧州国からの同調圧力には屈せず、自国の状況に最善と判断される対策を毅然として実行しているのだ。
そしてほとんどの国民は、政府に大きな信頼を寄せ、この施策を信じ国の未来を見ている。
とは言え現実的には、集団免疫策が本当に正しい方法なのかどうかは今の段階ではまだ不透明だ。
コロナ危機がどう収束し、コロナ終焉後の世界がどうなるのかは誰にも予測できないからだ。
しかし、多くの若者が亡くなったかつての大戦時と違い、今回の危機は若者が生き残るので、社会の再生はより容易なはずだ。