介護保険は不正が起こりやすい構造の業種である。
利用者のニーズは、きれいな場所でたくさんの人とお話がしたい。気持ちよくマッサージでもしてもらいたい。そういった本来介護保険の理念とは違うニーズを満たそうとする利用者がいる。
多くは独居の老人で女性が多い。

本日も驚くような患者が来た。独歩で普通に歩いて来院されている。特に認知症もなく会話も通院も自力でできる。しかし、聞くと患者さんは介護保険でとある営利企業の運営している施設に毎週2回も通っている。

普通に歩けて頭もしっかりしているのに、介護保険の無駄使いではないかと思う。車いすでしか移動できない。自分で買い物にも行けない。認知症があり一人では危険である。火事を起こすかもしれない、食事が食べれない。

こういう本来介護保険の対象になる人が通所しているのは当然のことであるし、そういうご老人は是非介護保険を利用してほしい。

しかし、気持ちがいいマッサージを受けれる、食事も作ってくれて独居の寂しさを紛らわす話し相手と会える。と言う理由で介護保険を食い物にしている人がいる。業者は営利団体であるからひたすら老人に取り入って、介護保険を受けられるように誘導したのだろう。そして介護認定する役所も、人権という建前に負けてしまい、独居老人の寂しさを理解できないのかとか、身体が痛いと言っているとかいう理由で安易に介護保険適応者を認定乱発している。

医療保険と介護保険、年金問題は国民の互助的な制度である。ここを営利企業が食い物にしている。利用者もまた同様に財源を食い物にしている。このようなケースは患者さんを診ていると多々起きている。市役所には厳しく書類を提出しているが、なかなか是正されない。

これも大きな問題だ。