大豆の摂取が前立腺がんリスクを低下:メタ解析
大豆製品を摂取すると前立腺がんのリスクが減るらしい。それもイソフラボンの働きではなさそうでゲニステインやダイゼインの働きだろうと言う事が示唆されている。
一方で前立腺のマーカーであるPSAはイソフラボンアグリコンの摂取で下がることがある。PSAは高値であっても前立腺がんとは限らず、偽陽性を示すことが多い。8割くらいは前立腺炎や前立腺肥大でも上昇するのだ。その場合はイソフラボンアグリコンの摂取が推奨されると思っている。
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今月の栄養学の専門ジャーナルに、大豆の摂取と前立腺がんリスクとの関連を検証したメタ解析が、米国のグループ(University of Illinois at Urbana-Champaign)から報告されていました。 (Nutrients. 2018 Jan 4;10(1))
前立腺がんは、高齢男性において問題になるがんであり、 世界的には、男性の罹患するがんの15%を占めています。
アジア人では、大豆の習慣的な摂取による前立腺がんリスク低下作用が示唆されています。
そこで、今回の研究では、 大豆食品および大豆由来のイソフラボン類(ゲニステインとダイゼイン)の摂取と、 前立腺がんリスクとの相関についてメタ解析が行われました。
具体的には、30報を対象に、
主アウトカムとして、原発および進行前立腺がんと、大豆食品の摂取、イソフラボン類の摂取、血中イソフラボン値との関連が調べられています。
解析の結果、 前立腺がんリスクの低下と、
大豆食品の摂取、(p < 0.001)
ゲニステインの摂取、(p = 0.008)
ダイゼインの摂取、(p = 0.018)
非発酵大豆食品の摂取(p < 0.001)
との間の有意な相関が見出されました。
一方、 発酵大豆食品、総イソフラボンの摂取、血中イソフラボン値と、前立腺がんリスクとの間には有意な相関は認められませんでした。
また、 大豆食品の摂取、イソフラボンの血中濃度と、前立腺進行がんとの間に有意な相関は検出できませんでした。
論文著者らは、 観察研究で認められた大豆食品の摂取と、前立腺がんリスク低下との有意な相関などから、大豆食品の摂取による前立腺がんリスク低下を考察しています。