炭水化物を取ると心臓病や脳血管障害などの動脈硬化性疾患をはじめとしたさまざまな病態と関連する慢性炎症に関連があるという結果が出た。これからも炭水化物摂取は老化や寿命との関連もあるのではと推測される。

なるだけ炎症を起こさないようにするべきだと言える。

 

 

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今月の産婦人科学の専門ジャーナル(電子版)に、炭水化物の摂取と、慢性炎症との関連を調べた臨床研究が、ブラジルのグループから報告されていました。 (Rev Bras Ginecol Obstet. 2016 Jul 15.) 慢性炎症は、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をはじめ、さまざまな生活習慣病の病態となることがわかっています。 閉経後の女性では、心血管疾患が主要死因であり、動脈硬化の過程に炎症が関与しています。 今回の研究では、閉経後の女性において、食事パターン、メタボリック指標、体組成、身体活動と、低グレードの慢性炎症との関連が検証されました。 具体的には、臨床的に病気を有していない、閉経後の女性95名を対象に、 体組成やメタボリック指標、ホルモンの測定、食事調査、運動習慣が行われました。 なお、間近3ヶ月間に、hs-CRP10 mg/L以上、あるいは、ホルモン治療を受けている被験者は除外されています。 被験者は、hs-CRP値により、3mg/L以上、あるいは3mg/L未満で区分され運動習慣に関しては、1日あたり6,000歩未満のウォーキングの場合に、(ほとんど体を動かさない生活様式)セデンタリー ・ライフスタイルとしています。 回帰分析の結果、hs-CRP3 mg/L以上の群では、hs-CRP3 mg/L未満の群に比べて、 BMI、体脂肪率、ウエスト周囲径、中性脂肪値、血糖値が有意に高く、 インスリン抵抗性が高いという相関が認められました。(p&#8201;=&#8201;0.01 for all variables) また、hs-CRP3 mg/L以上の群では、GL(グリセミック負荷)が高く、タンパク質が低いという食習慣が見出されさらに、 (ほとんど体を動かさない生活様式)セデンタリー ・ライフスタイルの割合が有意に多く、 (p&#8201;<&#8201;0.01) メタボリック症候群のリスクが有意に高いという相関も見出されています。 (p&#8201;<&#8201;0.01) 年齢および閉経後の年数で補正後、hs-CRP3 mg/L以上の群では、セデンタリー・ライフスタイルである率が4.7倍に達し、炭水化物の摂取が2.9倍になることが見出されたということです。 以上のデータから、閉経後の女性において、セデンタリー・ライフスタイルおよび高炭水化物食は、慢性炎症と有意に関連し、メタボリックリスク、心血管リスクを高めることが示唆されます。 これまでの臨床研究を俯瞰すると、 地中海食、低炭水化物食・糖質制限食、低カロリー低脂肪食のいずれも、減量に関する一定のエビデンスが構築されています。 この中では、地中海食が一番継続しやすい食事と考えられます。 また、短期間の介入で確実に減量効果がみられるのは、低炭水化物食・糖質制限食であり、特にインスリン感受性が保たれている肥満者では、第一選択と考えます。