オリーブオイルも多くの機能を持った食品である。

心血管系の保護作用があるだけではなく、抗酸化、抗老化、死亡率の低下作用など様々な効用がある。

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今月の科学誌プロスワンに、バージンオリーブオイル投与による血中タンパク質の変化について、網羅的プロテオーム解析を行った臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。(PLoS One. 2015 Jun 10;10(6):e0129160) オリーブオイルには、チロソールやヒドロキシチロソールなど各種フェノール類が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介して、動脈硬化性疾患を予防し、心臓病リスクを低下させると考えられています。

ただし、オリーブオイルによるHDLコレステロールの能力への作用について、詳細は明確ではありません。 (HLDは、善玉コレステロールであり、40mg/dL未満の場合、脂質異常症と診断されます。 一方、HDLの場合、単に数値が高い、ということよりも、 HDLの質/能力が問題となります。 例えば、HDL粒子のサイズ・脂質含有量・積み荷膜タンパク質(protein cargo)などです。) さて、今回の研究では バージンオリーブオイル摂取後の脂質代謝、HDL能への影響について、ヒトでの網羅的プロテオーム解析が行われています。

具体的には、二重盲検クロスオーバー法により、高コレステロール血症(総コレステロール値が200mg/dL超)を有する33名(男性19名、女性14名、35歳から80歳)を対象に、

・バージンオリーブオイル投与群(VOO)、 ・オリーブオイルフェノール類高含有バージンオリーブオイル投与群(FVOO)、

・バージンオリーブオイル+フェノール類添加群(FVOOT)、

の3群につて、 1日あたり25mLのオリーブオイルを3週間投与し、プロテオミクス解析が行われています。 HDLに関連した127のタンパク質が同定され、 投与前と比べて、3種類のバージンオリーブオイル投与後に、15のタンパク質の発現に違いが見出されました。

これらの15個のタンパク質は、LXR/RXR 活性化, 動脈硬化の機序に関連している分子でした。 バージンオリーブオイル投与により、心血管保護に働くようなタンパク質の発現の亢進、 (コレステロールホメオスタシス、抗酸化関係など) また、(動脈硬化における) 急性相反応に関連したタンパク質の発現抑制が見出されています。

オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。 地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。 野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。

地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。 地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。

地中海食で死亡率が半減する

低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効 オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下

地中海食がメタボを抑制

バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用

バージンオリーブオイルの心臓病予防作用

オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用

地中海食による認知症予防効果 地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用

超低炭水化物・地中海食による減量効果

地中海食による高尿酸血症リスクの低下

オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用

バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用

オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用

伝統的地中海食による脂質代謝改善作用

オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下