肥満に対する食事療法としては高たんぱく食、低炭水化物食が最も効果的である。多くの臨床例でわかっていることであるが、その後ダイエット効果があった後に、では患者さんはどうなるのか?体重を維持することができるのか?というと、半分以上は元に戻ってしまうこともわかっている。

そうなると一生プロテイン置き換え食事をするのか?ということにもなりかねない。置き換え食が悪いのではなく、一生置き換え食を食べることがほぼ不可能であり、非人間的な食事であることが間違っていると私は思っている。

一度体重を減量したならば、それを維持していく方法を考える必要があると思うのだ。

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肥満研究の専門ジャーナル(電子版)に,肥満に対する高タンパク食の効果を示した臨床研究が,デンマークのグループ(University of Copenhagen)から報告されていました。 (Int J Obes (Lond). 2014 Dec 26.) 肥満治療では,低カロリー・高タンパク食(1食あたり20グラム前後のタンパク質を含有)のフォーミュラ食・置き換え食を用いて,1日あたり1食あるいは2食置き換えによる減量方法が確立しています。 今回の研究では,タンパク質,炭水化物,グリセミック指数(GI)と,体重調節との関連が検証されました。 具体的には,欧州の8センターにおいて,肥満家族932家族を対象に,自由に摂食できる状態で,低GIと高GIの比較が行われました。 (DioGenesという欧州多施設研究の一環です。) 1日あたり800kcalの食事を8週間摂取し,11kg減量した成人を5群に分け,6ヶ月間の研究が行われました。 各食事は,タンパク質の量と,グリセミック指数に違いがありました。 グループ1:低タンパク質,低GI食, グループ2:低タンパク質,高GI食, グループ3:高タンパク質,低GI食, グループ4:高タンパク質,高GI食, グループ5:対照食・タンパク質とGIはいずれも中程度。 高タンパク食摂取群では,通常タンパク食摂取群(23%エネルギー比)に比べて,さらに,5.4%相当のタンパク質が多く投与されました。 また,低GI食摂取群では,高GI食摂取群よりも,5.1低いGIが投与されました。 解析の結果,高タンパク食や低GI食は,体重減少や減量維持に相加的な効果を示し11kg減量後の成人において,組み合わせにより,減量体重の維持(体重の再増加の抑制)や脱落率の低下効果を示しました。 また,この組み合わせの食事は,小児の間での肥満や過体重の割合を減少させ,体脂肪の減少も示し, 両親と小児の両方において,血圧や血中脂質,炎症といった指標に好影響が見出されています。 さらに,1年後の解析では,高タンパク食摂取群において,減量体重の維持,リバウンド抑制効果が示されています。 以上のデータから,自由摂食の環境にある肥満の家族では, 高タンパク低GI食による減量効果およびリバウンド(体重の再増加)抑制効果が示唆されます。 なお,高タンパク食といっても,焼肉食べ放題,ということではなくて,良質のタンパク質(魚類や大豆など)と,良質の脂質(エクストラバージンオリーブオイルなど)が推奨されます。1hが