ヨーロッパの学界ではグルコサミンとコンドロイチンが最初の治療として認知されているようである。

日本においてはグルコサミンとはコンドロイチンは医療の蚊帳の外に置かれ、医師の裁量を経ていないところで、一部のサプリメントメーカーの重要な収益源となっている。

ただし、今回の報告でもあるようにもっとも最初にしなければならない事として、減量や運動の指導が挙げられている。

患者さん自身が自分の体を治癒させる、という考え方が必要でしょう。

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欧州骨粗鬆症・変形性関節症学会(ESCEO)から、変形性膝関節症に対する治療アルゴリズムが報告されていました。(Semin Arthritis Rheum. 2014 May 14) 今回のESCEOのアルゴリズムでは、グルコサミンとコンドロイチンが、最初のステップで試みられる選択肢にあげられています。一般に、変形性膝関節症(膝OA)に関する既存のガイドラインでは、個別の介入方法に関するエビデンスが検証され、推奨グレードが示されていますが、それぞれの治療方法の優先順位については明示されていません。そこで、今回の研究では、膝OAに対して推奨される治療アルゴリズムを作成し、臨床医にとって利用しやすいガイドラインの作成が行われました。具体的には、ESCEOとして、各分野の専門家(リウマチ医、臨床疫学者、統計学者など)のチーム13名を組織し、既存のガイドラインをレビューして、治療アルゴリズムが作成されています。その結果、まず、基本的な原則として、 -- 介入の初期には薬物治療と、非薬物治療の併用が行われるべきであり、 -- これには、情報の啓発、肥満であれば減量、運動プログラムが含まれることが確認されました。そして、治療のアルゴリズムとして、次のステップが示されています。ステップ1.非薬物療法(必要に応じて理学療法)あるいは薬物療法。薬物療法は、膝OAの症状緩和に作用するものとして、グルコサミン硫酸塩やコンドロイチン硫酸を。必要なら、パラセタモール(アセトアミノフェン)も併用。NSAIDs外用も。ステップ2.症状の継続する患者に対して、薬物療法として、経口薬のCOX-2阻害剤やNSAIDsを。関節内へのステロイド剤やヒアルロン酸も考慮する。ステップ3. 手術の前の薬物療法の最後として、オピオイドなど中枢系の鎮痛剤を。ステップ4.手術療法

以上が、膝OAに対する治療アルゴリズムです。

グルコサミンに関する基礎研究では、抗炎症作用が示されています。例えば、グルコサミン由来成分の抗炎症作用 グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。 パワーグルコサミン 極らくらく らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)

グルコサミン

コンドロイチン グルコサミン&コンドロイチン II型コラーゲン+プロテオグリカン グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。膝OAなどの変形性関節症に対して、サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。 (一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。) グルコサミンおよびコンドロイチンは、変形性膝関節症の症状改善や将来の人工膝関節置換術リスク低下効果が示されているサプリメントです。最近の研究では、次の報告があります。 グルコサミン・コンドロイチンの関節裂隙狭小化抑制効果 グルコサミン・コンドロイチンによる関節軟骨保護作用@膝関節症 グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。従来、作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。変形性関節症(OA)には、膝OAの他に腰OAもあります。臨床研究では、グルコサミンによる膝OAの効果は明確に示されています。

一方、腰OAは、評価指標の設定が容易ではなく、あまりいいエビデンスは示されていません。(エビデンスがないことは、効果がないこととは別なので、今後、適切な評価指標による研究が行われるかもしれません。)

膝OAや腰OA以外には、手の関節に関する問題もありますが、手の関節の場合には、関節リウマチであれば標準治療が原則であり、抗炎症作用を有するサプリメントが補完療法として用いられることがあります。関節リウマチの診断基準を満たさない手の関節の炎症や疼痛に対しても、遺伝的素因が大きく、グルコサミンの適応にはならないと思います。(anecdotalな適応では、グルコサミンの摂取で痛風が改善した、というケースが米国ではよく聞かれます。)