放射線ホルミシスという言葉をはじめて聴いたのは去年の11月の学会であった。
そもそもその学会で自分の治療の発表をしたのだがその際にボードメンバーである水上先生が新たな治療の可能性という観点でお話されていた。
放射線ホルミシスとは、低容量の放射線が体の免疫力を向上し免疫細胞を活性化し、遺伝子修復酵素を増加し、さまざまな疾患の治療になるという概念である。
実際に水上先生はこのホルミシス効果を使ってがん治療に役立てているとこのことであった。
私もその話を聞いてフムフム、これはなんだかよさそうだなあと思いこれまで悩んでいたのだが、ついにホルミシス導入に傾きつつある。というのも、現在のビタミンC点滴療法は確かに副作用もなく効果的なのだがガンという病気は実際手ごわい。
副作用が出る抗がん剤は治療が終わってもしばらく髪の毛が生えてこなかったり、白血球が減ったままであったりする位に強烈に細胞を破壊していく。
もちろんがん細胞も破壊していくのだが、正常細胞も破壊する。
その点ビタミンC点滴は副作用がないのはすばらしいが、効果が出るのも血中濃度が400mg/dl以上になった時間だけなのだ。これでは点滴の時間が2時間だったらそのあと1時間程度もすると血中濃度は下がってしまい、抗がん剤のように強烈に数日間もがん細胞を破壊できないのだ。
この副作用がなく、免疫力も高めるビタミンCの治療をさらに補完する方法としてホルミシスはなんとも良い方法なのである。
ホルミシス療法では放射線であるだけに医療機関でないと使えないような大量の放射能を使用する。国が定めた安全量の年間1ミリシーベルトの量の約100倍の100ミリシーベルトもの放射線を浴びるのだ。
これによって細胞は一度障害を受けることとなる。そしてこの細胞の障害を修復する働きがオーバーシュートしてすさまじい治療効果を発揮する。
体によいことが起こるのは、低線量放射線に活性酸素を抑制する効果があるためである。
活性酸素は、人間の体には必要なものでもあるが同時にさまざまな病気を引き起こし、老化を促進する原因にもなっている。このことは現在では常識である。
ところが低線量の放射線には、ビタミンCやビタミンEの摂取による抗酸化作用とはケタ違いの働きがあるのだ。
放射線は細胞の大部分を占める水分を電離させて一時的に大量の活性酸素を発生させる。その後体内の抗酸化作用が活性化し体に出来た活性酸素を打ち消す以上の抗酸化作用を発揮するのである。

