高タンパク質の朝食によって高脂肪の間食が減少

ダイエットの食事療法にはいろいろな方法があるが、現在最も推奨されているのは低炭水化物食である。低炭水化物にすると食べられるものはたんぱく質と脂肪になるのだが、脂肪の取りすぎもその選択を誤らなければ問題ないことが分かってきている。

長鎖脂肪酸を避けて中鎖脂肪酸をとることがそのポイントである。

つまりは肉類の油はやめてココナッツオイルやヤシ油を摂取することが有効なのである。

今回の研究はたんぱく質をとると余計な脂肪を取らないですむということである

 

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http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/2519

今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに、若年女性において、高タンパク質の朝食をとると、高脂肪の間食が減少する、という臨床研究が、米国のグループ(University of Missouri)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2013 Apr;97(4):677-88.)

肥満の予防では、朝食を抜くことなく、規則正しい食生活が基本とされています。
特に、青少年では、朝食の欠食と、肥満リスクとの相関が示唆されています。
(なお、朝食欠食と肥満との相関について、食育の観点からは、朝食自体の働きの他、朝食を欠食するという食習慣をもたらす社会的背景も想定されます。)

さて、今回の研究では、朝食を欠食する習慣のある、過体重あるいは肥満の青少年の女性を対象に、高タンパク食の朝食と、通常のタンパク量の朝食の2種類について、食欲や満腹感、夕方の間食といった食行動への影響が調べられました。

具体的には、女性20名(平均年齢19 ± 1歳、BMI 28.6 ± 0.7)を対象に、・通常のタンパク質の朝食摂取群(350kcalで、13グラムのタンパク質)あるいは、・高タンパク食の朝食摂取群(350kcalで、35グラムのタンパク質)あるいは、・(今まで通り)朝食を欠食する群の3群に分けて、6日間の介入が行われ、
試験7日目に、10時間にわたり、食欲や満腹感、、食行動の変化が検証されています。

解析の結果、まず、空腹感は、朝食欠食群に比べて、朝食摂取群では減少しました。
次に、朝食欠食群に比べて、朝食摂取群では、毎日の満腹感が増加しており、通常のタンパク質の朝食摂取群に比べて、高タンパク食の朝食摂取群では、満腹感の増大がより顕著でした。

また、朝食欠食群に比べて、高タンパク食の朝食摂取群では、グレリンの低下、(グレリンは胃から分泌されるホルモンで食欲を亢進します。)
ペプチドYY値の増加、(ペプチドYYは食欲を抑制します。)
を認めました。(通常のタンパク質の朝食群ではこの差は認められていません。)

さらに、朝食摂取の2群では、朝食欠食群に比べて、夕食前の時点で、脳内の各部位における変化を抑制し、特に、高タンパク食の朝食摂取群では、通常のタンパク質の朝食摂取群に比べて、海馬および海馬傍回での活性化の抑制も見出されました。

その他、朝食欠食群に比べて、高タンパク食の朝食摂取群では、夕方の高脂肪のスナック摂取が減少したということです。(通常のタンパク質の朝食群では、この効果は認められていません。)

以上のデータから、高タンパク食の朝食を摂取すると、食欲やホルモン、神経シグナル系の変化を生じ、
肥満予防になると考えられます。