2013年11月25日 15:28 発信地:シドニー/オーストリア

ある研究では筋トレを行うグループと筋トレをするビデオを見ているグループで上腕二頭筋(力瘤が出来る筋肉)量の増加を調べる研究があった。3ヶ月間のトレーニング期間の後、調査してみると結果はまったく同じだったという。

つまり、実際に筋トレをしたグループも筋トレを見たグループも同じように上腕二頭筋が発達していたのだ。これから、人間の脳は仮想トレーニングにも反応し、筋肉を発達させる成長ホルモンを分泌し、実際に筋肉の発達を促すことが分かった。

 

今回の研究も似たようなものである。今はオリンピックが毎日テレビで放映されているが、毎日熱心に見ていると競技能力の向上に資する可能性もある。

 

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http://www.afpbb.com/articles/-/3003892?ctm_campaign=relation&cid=3008719

【11月25日 AFP】スポーツを観戦するだけで、健康を促進させることができるかもしれないとの研究結果が24日、発表された。他の人が運動する様子を見ると、まるで自分自身が運動をしているかのように、心拍数などの生理的指標が上昇することが分かったという。

国際ジャーナル「フロンティアズ・イン・オートノミック・ニューロサイエンス( Frontiers in Autonomic Neuroscience)」に掲載された論文によれば、別の誰かが走っている映像を見た人の心拍数や呼吸、皮膚血流量、発汗量はいずれも上昇し、見終わるとすべて通常値に戻ったという。調査を実施した研究者らは、運動の様子を見るだけで筋交感神経活動が活性化されることが、初めて確認された点が重要だと述べている。

調査を主導した研究者の一人、豪ウェスタン・シドニー( University of Western Sydney)大学のボーン・メイスフィールド(Vaughan Macefield)教授は、「心臓や汗腺、血管、その他の組織に作用する交感神経系は、実際に運動をしているときに活性化する。だが、今回の調査により、これらは動きのある映像を見るだけでも、自分で走っている時のように活性化することが示された」という。

調査では、参加したボランティア9人を対象に、非常に細い針を神経の外側に挿入し、血管につながる神経線維の電気信号を計測した。参加者にはまず、パソコンの画面に映し出された静止画像を見せ、筋交感神経活動などの生理学的パラメーターを計測。すると、動きのない風景の画像を見ている間は、計測している数値は一定していた。

だが、勢いよく走る人が撮影した22分間の映像を見せると、変化がみられた。

ボーン教授と共同で調査にあたったレイチェル・ブラウン( Rachael Brown)氏は、「小さな変化ではあったが、運動した場合に見られる適切な生理学的反応だった。9人は座ってリラックスしており、筋活動はみられない状態にあったことから、この反応は、体ではなく心が原因となる心因性のものであることが示唆された」と説明。

さらに、「この結果は、われわれが最近実施した感情に関する調査の結果と一致している。この調査では、性的なものなど、感情をかき立てるような映像を見ると、交感神経活動が刺激され、発汗が促されることが分かっている」と指摘した。

今回の調査では、他人が運動をする様子を見るだけで身体は少量の運動をしたことになるとの結論が出たが、メイスフィールド教授は、実際の運動に匹敵するものではないと注意を促している。「他の人が運動するのを見ることで、心拍数上昇などの生理的作用はあるかもしれないが、ソファから腰を上げることの健康効果に代わり得るものはない」という。(c)AFP