クルクミン(ウコン)による抗炎症作用

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植物療法の専門ジャーナル(電子版)に、ウコンの機能性成分クルクミンによる抗炎症作用を示したレビューが報告されていました。(Phytother Res. 2013 Aug 7.)

ウコンには有効成分としてクルクミンが存在し、抗炎症作用を示します。
分子メカニズムは、NF-κB抑制を介した抗炎症作用です。

慢性炎症は、がんや動脈硬化性疾患、肥満・メタボリック症候群など生活習慣病全般に共通する病態です。
かつて、一般誌のTimeも、‘Inflammation: The Secret Killer’
としてカバー特集を組んだことがあり、広く認知されています。

そこで、サプリメント研究では、抗炎症作用を有する機能性食品成分の働きが注目されています。
分子レベルでは、NF-κB経路に対する抑制作用を介した抗炎症作用が知られています。
(ウコン成分クルクミンによる抗炎症作用は、NF-κB抑制です。)

クルクミン/ウコンは、日本では、飲酒時の肝臓保護というイメージですが、海外の臨床試験では、抗炎症作用、抗がん作用、認知症抑制など多彩な作用が示されています。

さて、今回の研究では、クルクミンの抗炎症作用について、炎症マーカーであるCRPを指標として、
レビューが行われました。

具体的には、医学データベース(PubMed/MEDLINE とSCOPUS)から6報が抽出され、クルクミン投与群172名と、偽薬投与群170名についてメタ解析が行われました。

解析の結果、偽薬投与群に比べて、クルクミン投与群では、炎症マーカーである血中CRP値の有意な低下が認められたということです。

(WMD -6.44 mg/L; 95% CI: -10.77 - -2.11; p = 0.004)

サブグループ解析によると、クルクミンによる抗炎症作用は、クルクミンのバイオアベイラビリティを改善したサプリメントの投与や、クルクミンサプリメントの4週間以上の投与で見出されました。
(一方、これらの条件を満たさない投与群では、CRPの有意な低下は示されていません。)

以上のデータから、クルクミン(ウコン)の投与による抗炎症作用が示唆されます。
また、この抗炎症作用は、4週間以上の投与、もしくは、吸収効率を改善したサプリメント投与によって得ることができる、と考えられます。