以前からノコギリヤシは前立腺の健康に効果的だとわかっているがそれを強固に裏付けるデータが出てきている。 

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今月の補完代替医療の専門ジャーナルに、ノコギリヤシ+リコピン+カボチャ種子抽出物含有サプリメントによる前立腺肥大症の症状改善作用を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Queensland)から報告されていました。(Complement Ther Med. 2013 Jun;21(3):172-9)

男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)

また、前立腺肥大症(BPH)は、勃起障害(ED)の原因ともなりますし、BPHの治療に用いられるαブロッカーや5-α-還元酵素阻害薬といった薬の副作用として、EDが生じるリスクもあります。
一方、ハーブサプリメントでは、ノコギリヤシが、軽症から中等度のBPHの症状改善に有用であることが、これまでに多くの臨床研究によって示されています。

さて、今回の研究では、
前立腺肥大症対策の複合サプリメント(ノコギリヤシ、リコピン、ペポカボチャ種子Cucurbita pepo、ピジウムPygeum africanum、Epilobium parviflorum)による前立腺肥大症への作用が検証されました。

具体的には、ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、BPHと診断された40歳から80歳の57名を対象に、
・実薬群(n=32),
・偽薬群(n=25)
の2群(いずれも1日1カプセル投与)の比較が行われています。(臨床試験第2相として実施。)

主アウトカムとして、IPSS(国際前立腺症状スコア)が、1ヶ月ごとに測定され、副アウトカムとして、
排尿頻度などが調べられました。

解析の結果、3ヶ月間の介入後のIPSSの中央値は、偽薬群では8%の低下であったのに対して、
実薬群では36%の有意な低下(改善)を認めました(p<0.05)。
また、日中の排尿回数は、3ヶ月間の介入によって、実薬群では15.6%の有意な減少(改善)が見出されています。(偽薬群では、有意差なし。)
さらに、夜間の排尿回数も、実薬群では39.3%の有意な減少(改善)、偽薬群では7%の減少でした。

以上のデータから、ノコギリヤシ+リコピン+カボチャ種子などを主成分とするサプリメントは、
前立腺肥大症に伴う症状の改善作用を有すると考えられます。

DHCでは関連製品として、ノコギリヤシ
マカ
トンカットアリ
複合サプリメント
などがあります。

ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用

・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用

・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし

・男性型脱毛症とノコギリヤシ
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ