ベジタリアン食は気分障害をも改善するということがわかる。おそらく、人間が植物中心の生活をすることが心と体とに良い影響を与えることになるのでしょう。

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栄養学の専門ジャーナルに、非ベジタリアンでの肉食制限による感情プロフィール改善作用を示した予備的な臨床研究が、米国のグループ(Benedictine University)から報告されていました。
(Nutr J. 2012 Feb 14;11:9.)

ベジタリアンあるいはベジタリアン食の摂取が、生活習慣病の予防や改善に有用であるという臨床研究は数多く報告されています。
一方、獣肉類を摂取する非ベジタリアン食では、ベジタリアン食に比べて、炎症惹起に関与するアラキドン酸の摂取量が多く、気分障害リスクへの関与が想定されます。

また、魚類を摂取する場合には、EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸の摂取により、アラキドン酸によるネガティブな影響を抑える、という考えも可能です。
しかし、最近のベジタリアンのメンタルヘルスに関する研究によると、ベジタリアンでは、オメガ3系脂肪酸の摂取量が少ないにもかかわらず、気分・感情プロフィールは、非ベジタリアンよりも良好であることが示されます。

【ベジタリアン食は良好な気分・感情と相関】
そこで、今回の研究では、非ベジタリアンにおいて、獣肉類、家禽類、魚類の摂取を抑えることによる気分プロフィールへの影響が調べられました。

具体的には、非ベジタリアン39名を対象に、・対照群:肉・家禽・魚を摂取する非ベジタリアン食群
・1週間に3-4回、魚類を摂取する群(肉と家禽は非摂取)
・ベジタリアン食群(肉・家禽・魚を非摂取)の3群に分けて、
2週間の介入の前後で、気分・感情プロフィールが比較されています。
(Profile of Mood States questionnaire および Depression Anxiety and Stress Scalesにて評価。)

食事調査の結果、介入後のベジタリアン食群では、EPA、DHA、アラキドン酸の摂取量が有意に減少し、
魚類摂取群では、EPAとDHAの摂取が増加したことが示されています。
次に、気分プロフィールのスコアの解析によると、

非ベジタリアン食摂取群と魚類摂取群では、変化は示されなかったのに対して、ベジタリアン食摂取群では、2週間の介入後に、複数の気分関連スコアでの有意な改善が認められたということです。

以上のデータから、肉類や魚類を摂取する非ベジタリアンにおいて、ベジタリアン食を導入することによる気分プロフィールの改善作用が示唆されます。
一般に、動物性脂質に多い飽和脂肪酸、リノール酸などのオメガ6系不飽和脂肪酸は、炎症を惹起し、動脈硬化などを生じて、生活習慣病のリスクを高めます。

一方、EPAやDHA、α-リノレン酸などのオメガ3系必須脂肪酸は、摂取が推奨されます。
EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。

また、単価不飽和脂肪酸のオリーブオイルでは、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。