ベジタリアン食は抗酸化能・体脂肪率・コレステロールへ好影響を与える 

当然と言えば当然の結果が出ている。食事は我々の体を作っている。ジュースとお菓子でできたからだと野菜と湧水で作られた体が違うのは当然だろう。

 

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栄養学研究の専門ジャーナルに、ベジタリアン食は、非ベジタリアン食に比べて、抗酸化能、体脂肪率、コレステロール値に好影響を与えるという調査研究が、韓国のグループ(Kyung Hee University)から報告されていました。(Nutr Res Pract. 2012;6:155-61. )

これまでの研究によって、適切なベジタリアン食は、生活習慣病の予防や改善に有用であることが示されています。
これらの研究の多くは、米国でのSDAを対象にした研究が中心です。
一方、アジアでの研究では、尼僧などを対象にした調査で一部のミネラルの不足なども示唆されています。

一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。
そこで、、今回の研究では、韓国において、ベジタリアン群と、非ベジタリアン群について、抗酸化能や脂質代謝が比較検討されました。

具体的には、ベジタリアンの45名(男性23名、女性22名、平均年齢49.5 歳、ベジタリアン食を15年以上継続)と非ベジタリアンの30名(男性15名、女性15名、平均年齢48.9 歳)を対象に、食事調査が行われ、酸化ストレス指標、体組成、脂質代謝指標が測定されています。

解析の結果、まず、体脂肪率は、ベジタリアン群のほうが、非ベジタリアン群に比べて、有意に低い値でした。(21.6 ± 6.4% vs. 25.4 ± 4.6%; P < 0.004)
次に、酸化ストレスレベルでは、ベジタリアン群のほうが、非ベジタリアン群に比べて、有意に低い値でした。(d-ROM : 331.82 ± 77.96 and 375.80 ± 67.26 Carratelli units; P < 0.011)

さらに、総コレステロール値は、ベジタリアン群のほうが、非ベジタリアン群に比べて、有意に低値でした。(173.73 ± 31.42 mg/dL vs. 193.17 ± 37.89 mg/dL, P < 0.018)

LDLコレステロール値も同様に、ベジタリアン群のほうが有意に低くなっています。
(101.36 ± 23.57 mg/dL vs. 120.60 ± 34.62 mg/dL、P < 0.005)

以上のデータから、酸化ストレス、体脂肪、脂質代謝指標のいずれにおいても、
ベジタリアン群のほうが、非ベジタリアンよりも生活習慣病予防の点から、好ましい値となっています。
北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」
とされています。

実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。
ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。