ビタミンEの気道刺激に対する抗炎症作用があることが分かった。喘息性疾患に対する効果にも期待ができる。

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今月のフリーラジカル研究の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンE投与によって、気道刺激時の好中球動員といった反応が抑えられる働きを示した基礎研究と臨床研究が、米国のグループ(University of North Carolina at Chapel Hill)から報告されていました。(Free Radic Biol Med. 2013 Feb 8)

これまでの疫学研究では、食事由来のビタミンEによる喘息リスク低下作用が示唆されています。
今回の研究では、ビタミンE(γ-トコフェロール)の抗炎症作用による気道刺激時への影響が調べられました。(ラットを用いた基礎研究と、健常な人ボランティアを対象にした第1相試験の2つです。)

具体的には、まず、F344/Nラットを用いて、ガンマトコフェロールあるいは偽薬のいずれかを経口投与し、その後、LPSの鼻腔内投与による刺激が行われ、気道系組織における好中球動員が調べられました。
次に、ヒト臨床研究として、喘息を有していない被験者13名を対象に、ガンマトコフェロール含有サプリメント(カプセル)あるいは偽薬(サンフラワーオイル)含有サプリメント(カプセル)が7日間投与され、
LPS吸入負荷試験が行われました。

吸入負荷後6時間に好中球の浸潤について、喀痰検査が行われています。(二重盲検偽薬対照クロスオーバー試験)

解析の結果、ラットを用いた研究では、LPS負荷時に、偽薬群に比べて、ガンマトコフェロール投与群において、肺組織中への好中球動員/浸潤の有意な低下(p<0.05)、気道系での好中球集積の有意な低下(p<0.05)が認められました。
また、ヒト健常ボランティアを対象にした試験では、ガンマトコフェロール投与群において、
偽薬群に比べて、喀痰中への好中球浸潤が有意に抑制されました。(p=0.03)

以上のデータから、ガンマトコフェロールは、抗炎症作用をを介して、気道刺激時の炎症反応(好中球浸潤)を抑制することが示唆されます。
今後、喘息など気道系疾患に対するリスク低減効果や症状軽減効果など、臨床的意義の検証が期待されます。

ビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールに分けられます。
さらに、トコフェロールとトコトリエノールのそれぞれが、α,β,γ,δの4種類であることから、合計8種類になります。