癌難民・・統合医療的に言えばありえない概念

癌難民が最近増えているという話をよく聞く。実際日本では癌で亡くなる人が50年前の3倍にも増えている。また、現在行われている手術、抗癌剤、放射線療法での奏功率は50年前からあまり変わってないのが現実である。

その中で何が起こっているのか?
再発や遠隔転移の癌の場合、多くは抗がん剤治療をおこなう。その際に、もし抗癌剤が効かなかったらあなたは主治医からこのように言われるだろう。

「残念ながら、あなたに効く治療はなくなってしまいました。このまま病院にいても何もすることはありません。これから残された人生を悔いなく送ってください。なお、次の患者さんが入院待ちをしているので出来るだけ早く退院してください。緩和ケアの出来る病院をご紹介します。」

抗癌剤が効かなくなった時点で現代の保険医療では治療がなくなったかのような話になってしまう。実際には超高濃度ビタミンC点滴療法やIPT療法と言う素晴らしい治療もあるし、低用量ナルトレキサンのような副作用のない薬が発見されているにもかかわらず・・・・。

先日も、家族が癌難民になってしまったという家族の方からご相談を受けた。主治医がとにかく早く退院してくれと言うのだそうだ。また、抗癌剤が効かないと言ったり、副作用があるから治療を中止しようといったり、また、中止したら手立てがないので、患者自身がどうするか決めて欲しいといわれるとのことだ。

要約すれば、
1、抗癌剤が効いてない
2、副作用が強く、これ以上やっても体に悪い。
3、このまま効かない抗癌剤をするか、中止するか主治医は決められないということになる。

患者の家族は、勿論医療の専門家ではないからどうしてよいかわからないのである。また、主治医から見捨てられた気がして悲しい気持ちになっているのである。
勿論主治医の気持ちも私にはよく解る。

抗癌剤が効かないということが明らかになった時点でもう治療法はないのである。おまけに患者の全身状態は悪く、薬の副作用で食欲はないし、吐き気が強い。がりがりに痩せてきて体重も40kgをきっており、髪の毛は抜けてまるで、飢餓状態である。

この患者を前に、医師としてなんていえばいいのだろう?

多くの心ある医師は悩んでいるに違いないのである。おまけに、通常業務は多忙を極めており手術は毎日遅くまでしなければならないし、術後に急変する患者の為に夜中でも病院には出てこねばならない。

実を言うと医師の体もボロボロで、心の支えは使命感だけだったりする。
マスコミは医師を簡単に批判するし、何か医療ミスがあれば莫大な損害賠償や医師免許の剥脱という罰が待っている。

かといって絶対的に体調を整えてゆったりと精神的にも肉体的にも余裕を持って医療行為を出来る環境などないのも事実である。

私はそれを知っているから、このような患者の話を聞いても一方的にその担当医を責める事は出来ないのである。

勿論、それでも患者にはやさしく接して欲しいし、何より、3大治療以外にも患者を救う治療法があることに目を開いて欲しいと思う。

敢えて言えば、医師が自分の治療法で救えない患者がいると解った時に、他にもっと良い治療があるかもしれないという謙虚な気持ちは持って欲しいものだ。

同じ医師同士で現在はこの代替統合医療を必要以上に効果がないものとして思い込んでいる医師が多いのだ。

私たち統合医療を行っている医師の心からの願いは、これらの素晴らしい統合医療の技術を日本中の医師に知って欲しいということである。
そうすれば多くの人の命が救われるし、日本の難病といわれる病気も薬の副作用なく直せるものが沢山あることが世間にわかり、患者さんは希望を持てると思うのである。