毎日の診療で老化現象による腰痛をたくさん見ています。腰痛に老化現象と言える特徴があるとしたら、それは治ることがないと言う事でしょうか。
まるで白髪が治らないように、高血圧が治らないように(薬を飲んでいる間は下がるけれど)、まるで顔に出来たしわが減らないように、シミが消えないように。

治らないと言う事はそういう事です。アンチエイジングという言葉があり、医療があります。顔を美容整形手術するのもアンチエイジングと言えるかもしれませんが、実際には若くなるわけではなく、ヒアルロン酸などのフィラーを挿入したり、しわにPRP治療を行ったりします。その治療で見た目は若くなりますが、本質は変わらず、我々は毎日少しずつ加齢します。

では、本当のアンチエイジングは何でしょうか?それは細胞レベルで若い細胞になる事です。我々が20歳の時の細胞に置き換わればそれは若返りであり、高血圧も消え、糖尿病もきえ、顔のしわもシミも消えるでしょう。それが今の医学で可能かと言えば、まだまだ難しいのが本当です。

その本当の若返りは細胞の遺伝子が元に戻り、細胞自体が若い細胞になり、結果内臓や皮膚が若返る事です。現在遺伝子レベルでの老化が明らかになりつつあります。

老化がどういうものであるか、そのメカニズムがわかり始めた今、幹細胞治療、遺伝子治療に注目が集まっています。これからの医学の分野です。
コンバージェンスとエクスポネンシャルなデジタル技術の発達で解明される老化に興味津々である。

いつの日か老化を克服して150歳の寿命を人類が達成しそうな気がしています。
その時には老化による腰痛、変形性腰椎症や脊柱管狭窄症もすっきりと治り痛みのない人生を送ることが出来ると信じています。